“墨染”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すみぞめ94.1%
すみぞ5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
墨染すみぞめの衣を着た坊さんが、網代笠あじろがさを片手に杖ついて、富士に向って休息しているとすれば、問わずして富士見西行さいぎょうなることを知る。
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
時に後ろの方に當り生者必滅しやうじやひつめつ會者定離ゑしやじやうり嗚呼あゝ皆是前世ぜんせ因縁いんえん果報くわはう南無阿彌陀佛と唱ふる聲に安五郎は振返ふりかへり見れば墨染すみぞめの衣に木綿もめん頭巾づきん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
身にまとった濛気もうきを払い落とし、スックとばかり立ち上がったが、見れば月代さかやき長く延び百日かずらかぶりし如く、墨染すみぞめの布子、丸絎まるぐけの帯、鏈帷子くさりかたびら肌に纏い、顔面長おもながく色蒼く
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「おれはもう熊谷くまがいだ。ツク/″\浮世の無情を悟って、このモーニングが墨染すみぞめのころもさ」
人生正会員 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)