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餘慶
引取り
元主人五兵衞方へ
改めて養子にぞ
遣はしける然ば
昨日迄に遠き八丈の
島守となりし身が今日は此
大家の養子と
成し事實に忠義の
餘慶天より
福ひを
積善の家には
餘慶あり
積惡の家には
餘殃ありと
宜なる
哉此篇に
載る所の村井長庵の如き
表は
醫術を
業とし内は
佞邪奸惡を
恣まゝにして
己が
榮利を
盡さんと
欲す然れども
天網爭で此
惡漢を通さん其
咎めを
送りたり
誠に
孝心の
餘慶報い來て
苦界を
遁れ
駕籠舁の實意を