“苦界”の読み方と例文
読み方割合
くがい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そう云わなくても四十九回、始終しじゅう苦界くがいさ。そこでこの機会に於て、遺言ゆいごん代りに、子沢山の子供の上を案じてやってるんだあナ」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
畢竟するに婦人が婚姻の契約を等閑なおざりに附し去り、却て自から其権利を棄てゝ自から鬱憂の淵に沈み、習慣の苦界くがいに苦しむものと言う可し。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
苦界くがい十年親のために身を売りたる遊女が絵姿えすがたはわれを泣かしむ。竹格子たけごうしの窓によりて唯だ茫然ぼうぜんと流るる水を眺むる芸者の姿はわれを喜ばしむ。
浮世絵の鑑賞 (新字新仮名) / 永井荷風(著)