“くがい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
苦界89.7%
苦海10.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
苦界くがい十年親のために身を売りたる遊女が絵姿えすがたはわれを泣かしむ。竹格子たけごうしの窓によりて唯だ茫然ぼうぜんと流るる水を眺むる芸者の姿はわれを喜ばしむ。
浮世絵の鑑賞 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それに反して、「英雄主義」が、か弱い女性、しかも「苦界くがい」に身を沈めている女性によってまでも呼吸されているところに「いき」の特彩がある。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
一生懸命にうかして亭主のかたきが討ちたいと思って親類の止るのも聞かずに泥水の中に這入り、苦海くがいうちに居ても万一ひょっとして敵を尋ぬる手掛りにもなろうと思ったから、此んな処へ這入って居るので
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)