“苦海”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くがい75.0%
ビッターシー25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
苦海くがい十年の波を半分以上も泳ぎ越すうちに、あとにもさきにもたった一度の恋をした相手は立派な武士さむらいである。五百石の旗本である。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
これはとまた恟りなさいまして、花里に親の名をお尋ねなさると、大阪で越前屋佐兵衞と申しましたが商業しょうばいの失敗で零落いたし、親の為め苦海くがいに身を沈めましたと
アフリカのほうにははるかにごつとした岩山の懸崖けんがいが見え、そのはずれのほうはミラージュで浮き上がって見えた。苦海ビッターシーでは思いのほか涼しい風が吹いたが、再び運河に入るとまた暑くなった。
旅日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)