“苦力”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
クーリー47.4%
クリー28.1%
クウリイ12.3%
クリイ5.3%
くうりい1.8%
くり1.8%
くりい1.8%
くーりー1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
両手に二挺の拳銃をもち、正面を睨んだその姿! それは意外にも金雀子街と、銅像の前とで邂逅した、穢い老人の苦力クーリーであった。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
元来、苦力クリーに芸術はない。苦力には苦力の芸術がなければならぬといふことは、嘘である。芸術はそのあるべき場所にしか有り得ない。
「花」の確立 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
蘆荻ろてき埠頭ふとう。——柳の街道。高粱かうりやん畑。夕日。古城壁。——最後に私は巡警の物々しい北京前門停車場で、苦力クウリイの人力車に包囲されてしまつた。
南京六月祭 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
これはもうはじめから、私を苦力クリイのようにこき使う目的を以て私に近づいて来たのです。
男女同権 (新字新仮名) / 太宰治(著)
上月が支那苦力くうりいを見て「人類に對する親しい感情を起させるやうな人間には見えない」と感じたのをつかまへて
「え、それはわかつてゐるんですがね。苦力くりの車にひとりで乗せてやるわけには行かないのです。何うもしやうがありませんよ」
(新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
それは、台湾から香港ほんこんに渡る船の中である。当時の打狗たかおから香港まで、日本貨十円といふのが三等の賃金で、その代り、苦力くりいと同房の船底である。
風邪一束 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
私達は大きな鞄を一時預けにしたりして、いくらか手間取つてゐる間に、その二人は逸早く苦力くーりーに鞄をかつがせて、それを先に立てて、あとから並んで歩いて行つた。
アカシヤの花 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)