“兀”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
57.1%
はげ26.5%
こつ12.2%
ごつ2.0%
もつと2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ここに照る月、輝く日は、げた金銀の雲に乗った、土御門家つちみかどけ一流易道、と真赤まっかに目立った看板の路地から糶出せりだした、そればかり。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
くちへ、——たちまちがつちりとおとのするまで、どんぶりてると、したなめずりをした前歯まへばが、あなけて、上下うへしたおはぐろのはげまだら。……
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もやが分れて、海面うなづらこつとしてそびえ立った、いわつづきの見上ぐる上。草蒸す頂に人ありて、目の下に声を懸けた、樵夫きこりと覚しき一個ひとり親仁おやじ
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
アフリカのほうにははるかにごつとした岩山の懸崖けんがいが見え、そのはずれのほうはミラージュで浮き上がって見えた。苦海ビッターシーでは思いのほか涼しい風が吹いたが、再び運河に入るとまた暑くなった。
旅日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
もつとも周三は近頃ちかごろおそろしい藝術的げいじゆつてき頬悶ほんもんおちいツて、何うかすると、折角せつかく築上つきあげて來た藝術上の信仰しんかう根底こんていからぐらつくのであツた、此のぐらつきは、藝術家にりて、もつとも恐るべき現象げんしやう
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)