“海面”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うなづら34.3%
うみづら22.9%
かいめん20.0%
うなも5.7%
うなばら2.9%
うへ2.9%
うみ2.9%
うみずら2.9%
みのも2.9%
ニハ2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
政子は、黙ってうなずきながら、露や草の実にまみれた身を、そのまま、たおれている朽木くちぎへ腰かけて、もう明け近い海面うなづらに向けていた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただぽかんと海面うみづらを見ていると、もう海の小波さざなみのちらつきも段〻と見えなくなって、あまずった空がはじめは少し赤味があったが、ぼうっと薄墨うすずみになってまいりました。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
これは、なつ晩方ばんがた海面かいめんへ、たれさがるくものように、みずみずとして、うつくしかったので、こんどは、がそのほううばわれてしまいました。
太陽と星の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
海岸開きの花火は、原色に澄切った蒼空あおぞらの中に、ぽかり、ぽかりと、夢のような一かたまりずつの煙りを残して海面うなもに流れる。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
間もなく近藤は思いあきらめたように、ぐったりした視線を遠い海面うなばらに放ったままつぶやいた。
霧の蕃社 (新字新仮名) / 中村地平(著)
みだれる海流ながれのとほくかすか 海面うへをかへる土用の波のうたである
すらんらん集 (新字旧仮名) / 仲村渠(著)
海面うみに浮いて、空を、じつと眺めてゐると、無念無想、蒼空おほぞらの大きく無限なることをしみ/″\とおもふ——
(旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
ずーっと海面うみずらを這えば雨、空せえ上れば天気と、そう、まあきまったもんだが、なあに、今日は大丈夫、今に見ていてごらんなせえ、霧が上へ上へとあがって
初秋海浜記 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
凡太は腕を拱いて空間を凝視してゐたが、やがて波のじつとりと落ちた広い広い海原に、倉皇と海面みのもを走る遥かな落日を、その皮膚にすぐ近くひたひたと感じはぢめてゐた。
黒谷村 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
春一日 曇りとほせる夕海面ニハに、臥してしづけき初シマを 見つも
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)