“こか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
古歌15.4%
胡笳15.4%
估価15.4%
古哥7.7%
空閑3.8%
胡華3.8%
古柯3.8%
固化3.8%
故家3.8%
此処3.8%
3.8%
紛花3.8%
胯下3.8%
袴下3.8%
跨下3.8%
3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すなわち古歌こかにアヤメグサとあるのは、みなこのショウブであって、今日こんにちいう Iris のアヤメではない。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
彼らは息をひそめてしばらく外の様子をうかがった。遠く山上の敵塁から胡笳こかの声が響く。かなり久しくたってから、音もなくとばりをかかげて李陵が幕の内にはいって来た。だめだ。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
こだわりのない叙述の奥に隠れた純真なものがあらゆる批判や估価こかを超越して直接に人を動かすのではないかと思う。
備忘録 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
されば元日の初日影もたゞ雪の銀世界せかいてらすのみ。一ツとして春の景色けしき不見みず古哥こかに「花をのみ待らん人に山里の雪の草の春を見せばや」とは雪浅きみやこの事ぞかし。
あるいはその名義の五箇が、五つの部落という意味ではなくして、他の地方にもその例の多い空閑こかの義であるとみてもまた通ずる。
俗法師考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
もともと悲田院が興福寺北門外から、この南隅場末の地に移ったのも、いわゆる空閑こかの地を利用したものであろう。
俗法師考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
それから老翁はことごとく関羽に心服して自分の小斎こべやに招き、身の上などうちあけた。この老翁は胡華こかといって、桓帝かんていのころ議郎ぎろうまで勤めたことのある隠士だった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
胡華こかの家を立ってから、破蓋はがい簾車れんしゃは、日々、秋風の旅をつづけていた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
行子が黒谷の尼院のつぼねまがいで、似たような境遇の預姫あずかりひめと長い一日をもてあましていたころ、雑仕ぞうし比丘びく尼たちの乏しい食餌しょくじに悩み、古柯こかという葉を灰で揉んで噛んだり
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
寂として、物みな固化こかしたよう。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
長崎屋は、雪之丞の故家こか、松浦屋を奸計に、陥れて破滅せしめたころは、まだその店の番頭にすぎなかったし、広海屋は当時すでに、長崎表で、海産問屋の相当なのれんの主であったのだ。年も違う。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
駕「旦那、お前さん何かなまぐさい物を持っておいでなさりゃアしませんか、此処こかア狐が出ますからねえ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
戦争の諸道具を大段おおだんに買いつけ、織田もその敵の毛利にも、そのまた敵の細川にも、一切無差別に売りこかし、相模府中の小田原に南蛮座をつくって
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
しかし世の中にあんな痛快で得体がしれず、意味が紛花こかで、振りがでたらめで、節廻しと太鼓が悲哀の極みで、あやしく美しく所以ゆえんなく哀しく、あとからあとから泪のこみあげてくる踊りはない。
随筆 寄席風俗 (新字新仮名) / 正岡容(著)
このこと川路がいわゆる小韓信しょうかんしん小寇莱しょうこうらいといえるに的中せり。胯下こかの恥を忍んで天下に大功を立てんと思う心洞察すべし。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
むかし淮陰わいいんの少年が韓信かんしんあなどり韓信をして袴下こか匍伏ほふくせしめたことがある。まちの人は皆韓信かんしん怯懦きょうだにして負けたことを笑い、少年は勝ったと思って必ず得々とくとくとしたであろう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
この劇は太虚及び龔芝麓ろうしろく賊に降り、後に清朝の兵入るを聞くや、急に逃れて杭州に至り、追兵の至るに驚いて、岳飛がくひ墓前、鉄鋳の秦檜しんくわい夫人の跨下こかかくる、たまたまこの鉄像の月事げつじに値ひ
八宝飯 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そういううちにも、なだれを打って逃げ迷ってくる半狂乱の人々に押されてまれて、二人も幾たびか突きこかされそうになった。
半七捕物帳:29 熊の死骸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)