古歌こか)” の例文
美女たをやめ背後うしろあたる……山懐やまふところに、たゞ一本ひともと古歌こか風情ふぜい桜花さくらばな浅黄あさぎにも黒染すみぞめにも白妙しろたへにもかないで、一重ひとへさつ薄紅うすくれなゐ
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すなわち古歌こかにアヤメグサとあるのは、みなこのショウブであって、今日こんにちいう Iris のアヤメではない。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
またアフコとんだ古歌こかもあるが、それはたまたまそれに近い発音をした土地もあったというまでで、元来がおこともっとも縁のとおい人たちの書いたものだから
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
とはいえ、この本当のアヤメの名は、実は今日ではすでにすたれてそうはいわず、ただ古歌こかなどの上に残っているにすぎない運命となっているから、そう心配するにもおよぶまい。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
「さようで、もっと古歌こかでありますそうで、小野小町おののこまちの、」
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
右に古歌こかといったが、その古歌とはどんな歌か、今こころみに数首すうしゅを次にげてみよう。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)