“故家”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うち50.0%
いえ16.7%
こか16.7%
ふるや16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
故家うちでは、村で唯一人の大學生なる吾子の夏毎の歸省を、何よりの誇見みえで樂みにもしてゐる、世間不知しらずの母が躍起になつて、自分の病氣や靜子の縁談を理由に、手酷く反對した。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
何、僕の故家いえかね、君、軽蔑けいべつしては困るよ。僕はこれでも江戸っ子だよ。しかしだいぶ江戸っ子でも幅のきかない山の手だ、牛込の馬場下で生まれたのだ。
僕の昔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
長崎屋は、雪之丞の故家こか、松浦屋を奸計に、陥れて破滅せしめたころは、まだその店の番頭にすぎなかったし、広海屋は当時すでに、長崎表で、海産問屋の相当なのれんの主であったのだ。年も違う。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
私がよく邪魔に出掛けて、この辺の写生を見せて貰ったり、ミレエの絵の話なぞをしたりして、時を送ったのもその故家ふるやだ。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)