“顛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
てん22.6%
ころ19.4%
ころが9.7%
ひっく6.5%
ふる6.5%
いただ3.2%
いただき3.2%
かえ3.2%
くつ3.2%
くつがえ3.2%
くつがへ3.2%
3.2%
こか3.2%
こけ3.2%
たお3.2%
たふ3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
病人びやうにんは七てんたうして悲鳴ひめいげるのが、むすめ背中せなかへぴつたりとむねをあてゝかたおさへてると、我慢がまん出来できる、といつたやうなわけであつたさうな。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こればかりは何ういう事か解りません、間がいとい事ばかりで、間が悪いと悪い事ばかりあるもので、運のいゝ方はころんだかと思えばさつを拾い
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
されど此等の石は或は再び坑中に沒し、或は灰の丘に沿ひてころがり下り、復た我等の頭上に落つることなし。われは心裡に神を念じて、屏息へいそくしてこれを見たり。
そうしてそれがために五年なり十年なり奔走している間に官制改革……ヒョイとひっくかえってしまう。職業教育を狭くやると、そういう弊におちいって来る。
教育の目的 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
王侍御は急いで出て来たが、客がもう帰っていないので、訊いてみるとその事情が解った。王侍御はふるえあがって顔色が土のようになった。彼は大声を出していていった。
小翠 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
そこで最後の握手をすると松風号からヒラリと飛び下りた。落下傘はうまくひらいた。一時間あまりかかって下りたところは、島根県のある赤禿げ山のいただきだった。
空中墳墓 (新字新仮名) / 海野十三(著)
小林こばやしぬしは明日わが隊とともにムッチェンのかたへ立ちたまふべければ、君たちの中にて一人塔のいただき案内あないし、粉ひき車のあなたに、滊車きしゃけぶり見ゆるところをも見せ玉はずや
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「お前さんが表の戸を開けに往って、ひっくりかえったきりで、判らなくなったから、お隣の方に来てもらったり、お医師いしゃを頼んだりして、大騒ぎしていたのだよ」
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
来るべき時代はこれと同じく現在に於ける恋愛の観念を悉くくつがへすであらう。現在に於ける恋愛の観念はかの中世紀の健康に対する観念と等しく人生にとつて有害なるものである。
恋愛と道徳 (新字旧仮名) / エレン・ケイ(著)
可なりの根本からくつがえらざるを得ないわけで、従って自然科学と文化科学との区別対立も撤廃されて、問題が再び元にもどって了うか、それともこの単なる区別対立を乗り越えて
科学論 (新字新仮名) / 戸坂潤(著)
夫が病褥に就いてからの月日を加へたら三年近く男を断つてゐた挙句あげくの事であるから、自分のために其生涯をくつがへされたのも無理ではないと考へてゐた。
来訪者 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
といつて、洋杖ステツキの倒れるやうにばたつとけかゝつたが、その儘顔を真青にして気絶してしまつた。
そういううちにも、なだれを打って逃げ迷ってくる半狂乱の人々に押されてまれて、二人も幾たびか突きこかされそうになった。
半七捕物帳:29 熊の死骸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
木の根や岩角につまづいてこけつまろびつ、泥まぶれになつて這ひあるくそのざまは……。わはゝゝゝゝゝ。さりとてわれに取つては譜代の主君ぢや。
佐々木高綱 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
怒りをなして大なる声を起して光を放つほどに、猿猴霧に酔い雪に怖れてたおれ伏す。
両個ふたりは心も消入らんとする時、にはか屋鳴やなり震動しんどうして、百雷一処にちたる響に、男はたふれ、女は叫びて、前後不覚の夢かうつつの人影は、たちまあらはれて燈火ともしびの前に在り。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)