“いただき”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イタダキ
語句割合
68.0%
21.2%
2.2%
頂上1.9%
1.5%
絶頂1.5%
山頂0.7%
頭頂0.7%
山巓0.4%
絶巓0.4%
頂辺0.4%
頂部0.4%
頂餅0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
同じかえででも同じ色を枝に着けているものは一つもなかった。細い杉苗のいただきに投げかぶせてあった先生の帽子が風に吹かれて落ちた。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そしてそのはてには一本の巨大な枯木をそのいただきに持っている、そしてそのためにことさら感情を高めて見える一つの山がそびえていた。
蒼穹 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
何の風情もない、饅頭笠まんぢうがさを伏せた様な芝山で、逶迤うねくねしたみちいただきに尽きると、太い杉の樹が矗々すくすくと、八九本立つてゐて、二間四方の荒れ果てた愛宕神社のほこら
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
叫び狂いののしる声は窓を通し湖水を渡り、闇の大空にそびえている八つの峰を持った八ヶ嶽の高い高い頂上いただきまで響いて行くように思われた。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
いわんや一国中になお幾多の小区域を分ち、毎区の人民おのおの一個の長者をいただきてこれに服従するのみか、つねに隣区と競争して利害をことにするにおいてをや。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
某は魔王岳の絶頂いただきなる湖水みずうみ
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
山頂いただきは風に光る。
山頂 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
上帝その禍を予防せんため、竜の身を極めて重くし居る故、みな楽土より流れ出るある河にちて死す、近処の人その死をうかがい、七十日の後そのしかばね頭頂いただき根生ねざした紅玉を採って国の帝にたてまつると。
朝の光を帯びた、淡い煙のような雲も山巓いただきのところに浮んでいた。都会から疲れて来た高瀬には、山そのものが先ず活気と刺激とを与えてくれた。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
この山ことに高しとにはあらざれども、もつともはやく雪を戴くをもて名あり。けだしその絶巓いただき玄海洋げんかいなだをあほり来る大陸の寒風のくに当ればなり。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
自分じぶんみことのお指図さしずで、二人ふたりばかりの従者ともにまもられて、とあるおか頂辺いただきけて、みこと御身おんみうえあんじわびてりましたが、そのうちほうからきゅうにめらめらとひろがる野火のび
曲者の飛び出した窓は、地上から十五尺ばかりの所を館の周囲をとりまいて居る一連の明りとり窓の一つで、壁際にある一列の陳列棚は九尺であるから、その頂部いただきより尚六尺の上に開かれて居る。
真珠塔の秘密 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
家へ帰って、摩耶夫人まやぶにんの影像——これだとすみやかに説教が出来る、先刻さっきの、花御堂の、あかちゃんの御母ぎみ——頂餅いただきと華をささげたのに、香をたいて、それから記しはじめた。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小林こばやしぬしは明日わが隊とともにムッチェンのかたへ立ちたまふべければ、君たちの中にて一人塔のいただき案内あないし、粉ひき車のあなたに、滊車きしゃけぶり見ゆるところをも見せ玉はずや
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)