“てっぺん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:テッペン
語句割合
天辺36.3%
頂辺32.3%
頂上11.3%
天頂9.7%
鉄片3.2%
頂点2.4%
1.6%
頂天1.6%
巓辺0.8%
頭尖0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いや、こんなところじゃない、わしは、ずっと前から思いついていたのじゃ、ほれ、大菩薩峠の天辺てっぺんへ持って行って立てるつもりだ」
や、鴉だなと私は向うの電柱の頂辺てっぺんを眺める。無数の白い碍子がいしと輝く電線、それに漆黒の鴉が四、五羽も留っている。紫に見える。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
頭の頂上てっぺんにチクチク痛んでいる小さな打ちきずが、いつ、どこで、どうして出来たのかイクラ考えても思い出し得ないのであった。
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
御城の北一里にあるつるぎみね天頂てっぺんまで登って、其所の辻堂つじどう夜明よあかしをして、日の出を拝んで帰ってくる習慣であったそうだ。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
まゆとそれから濃い眸子ひとみ、それが眼に浮ぶと、蒼白あおしろい額や頬は、磁石じしゃくに吸いつけられる鉄片てっぺんの速度で、すぐその周囲まわりに反映した。彼女の幻影は何遍も打ちくずされた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それがあまり高過ぎるので、肩から先を前の方へ突き出して、窮屈に仰向あおむかなくては頂点てっぺんまで見上げる訳に行かなかった。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
肉皿アントレにはつぐみを差し上げようと思っているのですが、実はその鶫なるものはまだ糸杉シープレスてっぺんの巣の中で眠っているのです、なにしろね、鶫なんてやつは目覚めざといからこうやって、子守歌でも聴かせて
場所もあろうに、頭の頂天てっぺんに孔を
後光殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
法華ほっけり固まりが夢中に太鼓をたたくようにやって御覧なさい。頭の巓辺てっぺんから足の爪先までがことごとく公案で充実したとき、俄然がぜんとして新天地が現前するのでございます」
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と思うと、私は頭尖てっぺんから水を浴びたようにぞっとしました。実子たる私が死ぬほどうえに迫って、寒さに震えてここに立っている。
無駄骨 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)