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天頂
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てっぺん
ふりがな文庫
“
天頂
(
てっぺん
)” の例文
帝都の辻々に貼り出される号外のビラは、次第に大きさを加え、
鮮血
(
せんけつ
)
で描いたような○○が、二百万の市民を、
悉
(
ことごと
)
く緊張の
天頂
(
てっぺん
)
へ、
攫
(
さら
)
いあげた。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
御城の北一里にある
剣
(
つるぎ
)
が
峯
(
みね
)
の
天頂
(
てっぺん
)
まで登って、其所の
辻堂
(
つじどう
)
で
夜明
(
よあかし
)
をして、日の出を拝んで帰ってくる習慣であったそうだ。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
天頂
(
てっぺん
)
いささか雲切れがして青が見えるが、それでも雲の動きが早いので、いつ隠れるか判らない。冬外套の襟を立てて、ガランとした広い路を歩く。
可愛い山
(新字新仮名)
/
石川欣一
(著)
どこの町でも
魚類売
(
さかなう
)
りは
行商人
(
あきないにん
)
の
花形役者
(
はながた
)
で……
早乙女
(
あんにゃん
)
が採った
早苗
(
なえ
)
のように頭の
天頂
(
てっぺん
)
に
手拭
(
てのごい
)
をチョット捲き付けて
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
兄貴のお袋さんも、小永井の旦那も、卒中ということになっているが、二人とも髪がグッショリ濡れていたっていうし、頭の
天頂
(
てっぺん
)
には少しばかり黒血が溜っていたそうだ。
銭形平次捕物控:012 殺され半蔵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
……
熟
(
じっ
)
と
天頂
(
てっぺん
)
の方を見ていますとね、さあ、……五階かしら、屋の棟に近い窓に、女の姿が見えました。部屋着に、伊達巻といった風で、いい、おいらんだ。……
串戯
(
じょうだん
)
じゃない。
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とその返事は、数丈上の梢の
天頂
(
てっぺん
)
から下へ投げられた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
課長は大湯呑を左手に移し、右手の太い指を延ばして帳簿の
天頂
(
てっぺん
)
から長くはみ出している仕切紙をたよりにして帳簿のまん中ほどをぽんと開いた。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
頭の
天頂
(
てっぺん
)
の附近に二銭銅貨大の
禿
(
はげ
)
——禿ではない、毛が生えそろわなくてみじかいのだ、それが揃いも揃って目につく。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それは背の高い杉の二本柱の
天頂
(
てっぺん
)
に、まるで水牛の角を
真直
(
まっすぐ
)
にのばしたような、ひどく長くて不恰好な銅の針がニューッと天に向って伸びているのだった。
雷
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「わッしょい、わッしょいッ」と、背の高い、その電柱の
天頂
(
てっぺん
)
まで、人技とは思われぬ速さで、
攀
(
よじのぼ
)
っていった。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ただ一人、あまり上手ではない浪花節を、頭の
天頂
(
てっぺん
)
からでるような声でうたっている客があるきりだった。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
私はそれでも、ロマンチストだから
構
(
かま
)
わないようなものの、かれ帆村なるものは、商売が私立探偵ではないか。帽子の
天頂
(
てっぺん
)
から靴の裏底まで、およそリアリズムであるべきだった。
西湖の屍人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
天
常用漢字
小1
部首:⼤
4画
頂
常用漢字
小6
部首:⾴
11画
“天頂”で始まる語句
天頂儀