無駄骨むだぼね
そのジャン・ゴオテという男は、見たところ、ちっとも危険な犯罪者らしくなかった。 年齢はちょっと見当がつかないが、弱そうな小柄の青年で、何だか子供の時分から病身で悩んで来たという風であった。ときどきそそっかしく鼻へあてる近眼鏡の蔭にさまよう眼 …