“何者”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なにもの76.5%
だれ5.9%
なに5.9%
なあに2.9%
なにか2.9%
なん2.9%
なんとなれば2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
半年ばかりたつ何者なにものとも知れず、はかあばいて石をぬすさつたものがある。子は手掛てがかりがないのでふことも出來ず其まゝにして二三日たつた。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
何者だれか向こうで呼んでいる。そんなように彼女には思われるのであった。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「いったい池の底に何者なにがいたんでしょう。」
幼年時代 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
え、んの少しばかしね。何者なあに、飮まなけア飮まないでも濟むんですけども、氣がうつした時なんか一ツ猪口ちよこいただくてえと、馬鹿にい氣持になツて了ふもんですから、つい戴く氣になツて了ふのですの。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
お姉様!(舟は水門の方にゆるゆると流れ行く)お姉様! 舟は何者なにかに引っぱられて行くように水門の方へ流れるんですよ。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「あれは何者なんだ?」
贋物 (新字新仮名) / 葛西善蔵(著)
何者なんとなれば、力の働くところは現在のみである。逆に力が働く故を以て「現在」と云ふことが出来る。即ち過去にも意識はあつた。「意識する力」と「意識対象」と「意識内容」は確にあつた。
意識と時間との関係 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)