“怖々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こわごわ47.7%
おずおず10.3%
こわ/″\8.4%
こは/″\8.4%
おづおづ6.5%
おづ/\5.6%
こはごは3.7%
おどおど2.8%
こは/\1.9%
おじおじ1.9%
おづ/″\0.9%
おど/\0.9%
ごわごわ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お通は、疑いぶかく、容易に近づいて来なかったが、城太郎が、頻りといったのであろう、やがて怖々こわごわお杉隠居のほうへ歩いて来た。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして髭を剃るのをやめて、黙々もくもくと、炉端ろばたへ行って坐った。松代は怖々おずおずと、炉端へ寄って行った。そしてお互いにしばらくっと黙っていた。
栗の花の咲くころ (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
横の方へ廻るとつが面取格子めんとりごうししまって居りますから、怖々こわ/″\格子を開けると、車が付いて居りますから、がら/\/\と音がします。
やすいきを入て居けるゆゑ怖々こは/″\前へ行先生只今の者に能々うけたまはりし處熊谷にて御世話になりたる者のよしに候と云ば後藤は是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
忠一といふ、今度尋常科の三年に進んだ校長の長男が、用もないのに怖々おづおづしながら入つて来て、甘えるやう姿態しなをして健のつくゑ倚掛よりかかつた。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
忠一といふ、今度尋常科の三年に進んだ校長の長男が、用もないのに怖々おづ/\しながら入つて來て、甘える樣な姿態しなをして健の卓に倚掛つた。
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
私は日暮れに遊びに出た次手に怖々こはごは龜藏の家の見えるところまで行つて見たが、あたりは繩張りがされて、家は堅くとざされてゐた。
避病院 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
んびりした顔をならべた百姓たちは、ただ彼の叫びに、うろたえの眼と、怖々おどおどした挙動そぶりをすこし見せたばかりで、手をこまねいているのだった。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とてもしぬべき命也、ひきさきころさばころし給へ、もしなさけあらば助たまへと怖々こは/\熊をなでければ、熊はおきなほりたるやうにてありしが、しばしありてすゝみいでわししりにておしやるゆゑ
叱られて怖々おじおじしている子供といった方が適当なくらいで、これが人殺しをした青年とはどうしても思えなかった。
無駄骨 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
而も耻と悲哀に弾ぢぎれさうな胸を抑えて、怖々おづ/″\と人目を忍んでるいてゆく切りつめた今の自分の心にも何時しか忘れはてた淫蕩な罪の記憶が泣かむばかりに芽ざしてくる浅間しさ。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
『いやにはあるいてるのだ。』と、アンドレイ、エヒミチは怖々おど/\する。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
怖々ごわごわ時の経つのを待っているから、あの部屋のあたりには人目がない上に、自分は何の関係もないことを他の人に見せつけておくことが出来る。