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怖々
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おずおず
ふりがな文庫
“
怖々
(
おずおず
)” の例文
そして髭を剃るのをやめて、
黙々
(
もくもく
)
と、
炉端
(
ろばた
)
へ行って坐った。松代は
怖々
(
おずおず
)
と、炉端へ寄って行った。そしてお互いにしばらく
凝
(
じ
)
っと黙っていた。
栗の花の咲くころ
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
生娘の彼女が
怖々
(
おずおず
)
した貞節さで身にまとっていた理想主義の覆面から、彼女の真の性質がのぞき出してきた。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
仄
(
ほの
)
かに星の光っている暮方の空を眺めながら、「いっそ私は死んでしまいたい。」と、かすかな声で呟きましたが、やがて物に
怯
(
おび
)
えたように、
怖々
(
おずおず
)
あたりを見廻して
妖婆
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
小森はリヤカアの後から前の方に出て、どうしたんですかな、あんた、と少し
怖々
(
おずおず
)
しながら訊いた。
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
両手でその石を抜いて、真黒な穴の中へ
怖々
(
おずおず
)
手を入れて見た。案の定、手に触るものがあった。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
と、語りながら、少年は尚
怖々
(
おずおず
)
と見守っていると、その黒い物は次第に近くよって来る。
月世界跋渉記
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
蚯蚓
(
みみず
)
のような蛇を、
怖々
(
おずおず
)
使うザラの蛇使いと違って、これは黒髪山の奥に、蛇と一緒に育った娘、大小数百条の蛇を、我が子のように使いこなす、世にも不思議な芸当に御座います。
新奇談クラブ:08 第八夜 蛇使いの娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
久助は家来であり、かつは男であるから、遠慮して縁側に腰をかけていたが、親子ふたりづれの女は勧められるままに
怖々
(
おずおず
)
と座敷へあがって、やはり縁側に近いところに座を占めていた。
鷲
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼女は、一人、
怖々
(
おずおず
)
と陣幕の路地を通って行った。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼はそんな質問をしながら
怖々
(
おずおず
)
とその人間に触って見るのであった。彼は、それを人形とは感付かないで、仮死体が、薬品のために固くなっているように思っているのであった。
三稜鏡:(笠松博士の奇怪な外科手術)
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
或はこの水中に何物か沈んでいるのではあるまいか、物は試しで一応その
掻堀
(
かいぼり
)
をして見ろと云うことになって、下男や家来共はその用意に取かかる
処
(
ところ
)
へ、この噂を聞いて奥から
怖々
(
おずおず
)
出て来たのは
お住の霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
怖
常用漢字
中学
部首:⼼
8画
々
3画
“怖”で始まる語句
怖
怖気
怖毛
怖氣
怖怖
怖味
怖畏
怖気立
怖気付
怖愕