“おずおず”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
怖々45.8%
怯々20.8%
恟々20.8%
恐々8.3%
恐怖4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
生娘の彼女が怖々おずおずした貞節さで身にまとっていた理想主義の覆面から、彼女の真の性質がのぞき出してきた。
茶をんで来た御部屋坊主は、常々直弼に愛されている男であったが、今朝は人が違ったように怯々おずおずして、天目を進める手は見えるほど震えていた。
城中の霜 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
恟々おずおずと少しずつ潜戸くぐりの方へ身を動かして行きながらも、しきりと誰かをさがすように、浪人たちの休息している本堂のほうを濡れた眼で見ているのだった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奥様が御気色ごきしょくの悪い日には旦那様はそっと御部屋へ行って、恐々おずおず御傍へ寄りながら
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ちと、恐怖おずおずの形で、先ず玄関をのぞいて、書生が燈下に読書するのを見て、またお邪魔に、と頭から遠慮をして、さて、先生は、と尋ねると、前刻御外出。奥様おくさんは、と云うと、少々御風邪の気味。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)