“こわごわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
怖々48.9%
恐々38.3%
怕々4.3%
恐怖2.1%
可恐々々1.1%
強々1.1%
怖怖1.1%
恐恐1.1%
恟々1.1%
硬々1.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
子供の折は犬が非常に嫌いでしたから、怖々こわごわに遠くの方を通ると、いぬは却って其様子を怪んで、ややもすると吠えつく。
少年時代 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
と畳を蹴立つる一郎の、出たれば結句厄払ひと、落着き払ふ母の顔、怖々こわごわながら見ぬ振して、妹のそつと袖ひくに、一郎はふと思ひ出し。
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
恐々こわごわさしのぞいて、恐々探しましたが、丁度格子窓の出ッ張りの下にひらみついているのですから、分る筈はないのです。
急に片目になった佐柄木の貌は、何か勝手の異なった感じがし、尾田は、錯覚しているのではないかと自分を疑いつつ、恐々こわごわであったが注意して佐柄木を見た。
いのちの初夜 (新字新仮名) / 北条民雄(著)
いや、覗いたかと思うと、ふいっと消えまして、それと一緒にバタリと表の雨の中で何やら倒れた音が厶りましたゆえ、さすが気丈の赤堀先生もぎょっとなりまして怕々こわごわすかして見ましたところ、子按摩はやはりいたので厶りました。
十万石の怪談 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
しかも金水引に熨斗のしをつけた見事なその菓子折を差出しておくと、奇怪なあの目を空に見開いたまま、ふるえふるえあとずさりして、物をも言わずに怕々こわごわとそのまま消えるように立ち去りました。
私は柱に身を寄せて、恐怖こわごわながら覗きました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
恐怖こわごわながら烈風強雨の中をけ抜けたる七蔵おやじ、ようやく十兵衛が家にいたれば、これはまたむごいこと、屋根半分はもうとうに風にられて見るさえ気の毒な親子三人の有様
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
返事がないので可恐々々こわごわながら障子戸を開けるとお源は炭俵を脚継あしつぎにしたらしく土間の真中まんなかはりへ細帯をかけて死でいた。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
強々こわごわしく非音楽的な言いようをすればいことも悪く思われる。
源氏物語:26 常夏 (新字新仮名) / 紫式部(著)
いつか繕う気になって、髪の結様ゆいようどうしたらほめらりょうかと鏡にむかって小声に問い、或夜あるばん湯上ゆあがり、はずかしながらソッと薄化粧うすげしょうして怖怖こわごわ坐敷ざしきいでしが
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「丑じゃないか」と云って、此方こっち恐恐こわごわ声をかけながら近寄って行くと、急いでお堂の中へ逃げ込もうとするので、掴まえようとしたところが、えらい力で抵抗してなかなか云うことを聴きませんでしたよ。
紀伊国狐憑漆掻語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
もっとも宿を出る時、外套はと気がさしたが、借りて着込んだ浴衣ののり硬々こわごわ突張つっぱって、広袖のはだにつかないのが、悪く風を通して、ぞくぞくするために、すっぽりと着込んでいるのである。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)