“恟々”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
きょうきょう64.3%
おどおど21.4%
おずおず4.8%
びくびく2.4%
びく/\2.4%
きようきよう1.2%
きよう/\1.2%
こわごわ1.2%
どきどき1.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“恟々”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語2.2%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆0.1%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
敵の吉良方にも、恟々きょうきょうたる警戒ぶりが見えるが、赤穂の浪人方にも、それ以上の緻密ちみつな警戒が必要とされた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
恟々きょうきょうと声ばかりかんだかく、むしろ士気を自分の動悸と共にひるますような言葉をしばしば口すべらせた。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、時政は、充血した顔をあげた。素直なむすめのやや恟々おどおどしている眸を見ると、彼は可憐いじらしくもなって、
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わしが、恟々おどおどと、お脚元あしもと間近まで、はい上がってゆくと、びしゃりと、猿殿はわしの背中を鉄扇で一つ叩いていわれた。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
女の声にせかれて、馴れない場所へ恟々おずおずと入りかけると、後ろにあたって、バタバタという跫音が遠のいて行った。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
——恟々おずおずと少しずつ潜戸くぐりの方へ身を動かして行きながらも、しきりと誰かをさがすように、浪人たちの休息している本堂のほうを濡れた眼で見ているのだった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なアんだ、おじさんは、そんなことに恟々びくびくして、寝つかれなかったのかい。強そうな恰好をしているけれど、内心は臆病なんだなあ」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……面白いな……いよいよソンナ事に違いないと決定きまれば二人の博士が私のかたきだろうが味方だろうが、その二人が私にかけているダマシの手段が、如何に巧妙な恐ろしいものであろうが、チットモ恟々びくびくする事はない。是非とも私自身にこの事件の正体がわかるところまで突込んで行かなければ嘘だ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
もし伯父に向つて何か言へば、忽ち煙管の雨でも浴せられさうなので、絶えず恟々びく/\しながら伯父の機嫌を窺つて居た。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
若し夢の中で妻の名でも呼んだら大へんだといふ懸念に襲はれ、その夜からは、寢に就く時は恟々びく/\して手を胸の上に持つて行かないやうに用心した。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
さればここに二十七日と推薄おしつまりたる歳末の市中は物情恟々きようきようとして、世界絶滅の期のつひに宣告せられたらんもかくやとばかりに、坐りし人は出でて歩み、歩みし人は走りて過ぎ、走りし人は足も空に
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
摂津せつつの大掾の女房かないのおたか婆さんといふと、名代の口喧くちやかましい女で、弟子達の多くが温柔おとなしい大掾の前では、日向ぼつこの猫のやうにのんびりした気持でゐるが、一度襖の蔭から、お高婆さんの皺くちやな顔が覗くと、首をすくめて恟々きよう/\する。
と、恟々どきどきしていたが、そうではなかった。何か用事があるから、清麿が帰って来たら、すぐ屋敷へ来るようにという口上なのであった。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)