“びく/\”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
怯々37.5%
恟々25.0%
怯氣々々12.5%
悸々12.5%
惴々12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
例のドレエフス事件の折などは、自分も進んでその関係者の一にんとなつただけに、新聞記者につかまつて、大袈裟に畳み掛けた質問にでも出会でくはしはしなからうかと怯々びく/\ものでゐた。
もし伯父に向つて何か言へば、忽ち煙管の雨でも浴せられさうなので、絶えず恟々びく/\しながら伯父の機嫌を窺つて居た。恋しい、険悪な、いつ爆発するかも知れない様な沈黙が幾日も家の中を領した。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
わし其時分そのじぶん果敢はかないもので、さう天氣てんきふねるのは、じつあしはうであつたが。出家しゆつけ生命いのちをしむかと、ひとおもはくもはづかしくて、怯氣々々びく/\もので乘込のりこみましたぢや。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
また生命いのちかまはずにツたしうなら、かぜかうが、ふねかへらうが、那樣事そんなこと頓着とんぢやくはずぢやが、見渡みわたしたところでは、誰方どなた怯氣々々びく/\ものでらるゝ樣子やうすぢやが、さて/\笑止千萬せうしせんばん
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
浮べる程の余裕もない、と云つて余り悸々びく/\するのも自尊心に関した。私は主に蹄の音に耳を傾けてゐた。
鱗雲 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
家主いへぬし女主人をんなあるじところ見知みしらぬひとさへすればれもになる。もん呼鈴よびりんたび惴々びく/\しては顫上ふるへあがる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)