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怯氣々々
私も
其時分は
果敢ない
者で、
然云ふ
天氣に
船に
乘るのは、
實は
二の
足の
方であつたが。
出家の
身で
生命を
惜むかと、
人の
思はくも
恥かしくて、
怯氣々々もので
乘込みましたぢや。
また
生命を
介はずに
乘ツた
衆なら、
風が
吹かうが、
船が
覆らうが、
那樣事に
頓着は
無い
筈ぢやが、
恁う
見渡した
處では、
誰方も
怯氣々々もので
居らるゝ
樣子ぢやが、さて/\
笑止千萬な