“おどおど”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
恟々65.5%
怖々10.3%
怖怖6.9%
怯々6.9%
悸々3.4%
戦々3.4%
脅々3.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「まだ、ひき受けたものの、おめえも恟々おどおどしているだろうが、御城内へはいってから、半月も働いているまには、自然、はらもすわってくる」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わしが、恟々おどおどと、お脚元あしもと間近まで、はい上がってゆくと、びしゃりと、猿殿はわしの背中を鉄扇で一つ叩いていわれた。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
トム公は、黙って理平の顔を睨んだ。その高瀬の肩に、甘えかかって、何か、恟々おどおどとささやいているお槙へ、何か言ってやろうかと思ったが、ここではやめた。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は眼を開いたが、怖々おどおどして、その視線は肩から不気味な傷へ下って、それから、そこに立ちすくんでいる若い細君の方へ狂おしくこびりついた。
んびりした顔をならべた百姓たちは、ただ彼の叫びに、うろたえの眼と、怖々おどおどした挙動そぶりをすこし見せたばかりで、手をこまねいているのだった。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『いやちとにわあるいてるのだ。』と、アンドレイ、エヒミチは怖々おどおどする。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
而して時として稚気を帯びた淫心からこづき廻はされたり、処女のやうに怖怖おどおどしたり、又は凶悪の仮面を装つたり、嫉妬したり、狂つたり、踊つたりした。
愛の詩集:03 愛の詩集 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
而して時として稚気を帯びた淫心からこづき廻はされたり、処女のやうに怖怖おどおどしたり、又は凶悪の仮面を装つたり、嫉妬したり、狂つたり、踊つたりした。
ところが、不思議なことには、勝ち誇ったはずの博士からは、依然神経的なものが去らずに、妙に怯々おどおどした不自然な声で云うのだった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「では、その人物は何を見たのでしょうな。わしはとんとその詩句を知らんのですよ」レヴェズ氏が暗い怯々おどおどした調子で問い掛けると、法水はずるそうに微笑ほほえんで、
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
そこで父の右腕みぎうで、母のおもい子の岩吉も、頭は五分刈、中折帽、紋付羽織、袴、靴、りゅうとしたなりで、少しは怯々おどおどした然しました顔をして、鎮守の宮で神酒みきを飲まされ、万歳の声と、祝入営の旗五六本と、村楽隊と、一字総出の戸主連に村はずれまで見送られ、知らぬ生活に入る可く往ってしまう。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
——病気ではなく、静かに叔父が引き籠つてゐる間はその部屋を訪れる者は、私より他になかつた。私が遠慮なく襖をあけると彼は、他の者でなくつて好かつたといふ風に悸々おどおどした眼をあげて、
毒気 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
と云うのは、彼も今度は精霊が出現するその瞬間に、こちらから戦いを挑んでやろうと思ったからで、不意を打たれて、戦々おどおどするようになっては耐らないと思ったからである。
婚礼当夜の不思議は、自分の失策と思い込んで、脅々おどおどとして居る本当のお夏もいじらしいには違いありませんが、一度烙印を捺された三十郎の記憶は、そんな事では拭い去る由もなかったのです。