“おどおど”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
恟々66.7%
怖々10.0%
怯々6.7%
怖怖6.7%
悸々3.3%
戦々3.3%
脅々3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
勘ちゃんがそばへ来ると、最う私は恟々おどおどして、呉れと言わないうちから持ってる物を遣り、勘ちゃん、あの、賢ちゃんがね、お前の事を泥棒だッて言ってたよと、余計な事迄告口つげぐちして
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
彼は眼を開いたが、怖々おどおどして、その視線は肩から不気味な傷へ下って、それから、そこに立ちすくんでいる若い細君の方へ狂おしくこびりついた。
そこで父の右腕みぎうで、母のおもい子の岩吉も、頭は五分刈、中折帽、紋付羽織、袴、靴、りゅうとしたなりで、少しは怯々おどおどした然しました顔をして、鎮守の宮で神酒みきを飲まされ、万歳の声と
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
而して時として稚気を帯びた淫心からこづき廻はされたり、処女のやうに怖怖おどおどしたり、又は凶悪の仮面を装つたり、嫉妬したり、狂つたり、踊つたりした。今でも君は全くの自然児である。
愛の詩集:03 愛の詩集 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
私が遠慮なく襖をあけると彼は、他の者でなくつて好かつたといふ風に悸々おどおどした眼をあげて
毒気 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
と云うのは、彼も今度は精霊が出現するその瞬間に、こちらから戦いを挑んでやろうと思ったからで、不意を打たれて、戦々おどおどするようになっては耐らないと思ったからである。
婚礼当夜の不思議は、自分の失策と思い込んで、脅々おどおどとして居る本当のお夏もいじらしいには違いありませんが、一度烙印を捺された三十郎の記憶は、そんな事では拭い去る由もなかったのです。