怯々おどおど)” の例文
ところが、不思議なことには、勝ち誇ったはずの博士からは、依然神経的なものが去らずに、妙に怯々おどおどした不自然な声で云うのだった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
そこで父の右腕みぎうで、母のおもい子の岩吉も、頭は五分刈、中折帽、紋付羽織、袴、靴、りゅうとしたなりで、少しは怯々おどおどした然しました顔をして、鎮守の宮で神酒みきを飲まされ、万歳の声と
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「では、その人物は何を見たのでしょうな。わしはとんとその詩句を知らんのですよ」レヴェズ氏が暗い怯々おどおどした調子で問い掛けると、法水はずるそうに微笑ほほえんで
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)