恐怖こわごわ)” の例文
つちで庭掃く追従ついしょうならで、手をもて畳を掃くは真実まこと。美人は新仏しんぼとけの身辺に坐りて、死顔を恐怖こわごわのぞ
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
耄碌頭巾もうろくずきんに首をつつみてその上に雨をしのがん準備よういの竹の皮笠引きかぶり、鳶子合羽とんびがっぱに胴締めして手ごろの杖持ち、恐怖こわごわながら烈風強雨の中をけ抜けたる七蔵おやじ、ようやく十兵衛が家にいたれば
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
私は柱に身を寄せて、恐怖こわごわながら覗きました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)