“献”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
こん32.0%
ささ20.7%
けん14.7%
10.0%
たてまつ7.3%
5.3%
マツ2.7%
さゝ2.0%
あが1.3%
さし0.7%
0.7%
ささげ0.7%
たてまつり0.7%
コン0.7%
0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「で、今夜は、それがしが一夕いっせきこいを遂げた訳。ご迷惑でも、どうか一こんお過ごしあって、存分、わがままをいってもらいたいのじゃ」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
式場用の物のおおい、敷き物、しとねなどの端を付けさせるものなどに、故院の御代みよの初めに朝鮮人がささげたあやとか、緋金錦ひごんきとかいう織物で
源氏物語:32 梅が枝 (新字新仮名) / 紫式部(著)
それから百済くだらの国の王からは、おうま一とう、めうま一頭に阿知吉師あちきしという者をつけて献上けんじょうし、また刀や大きな鏡なぞをもけんじました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
志田君は、盃を下にも置かず、相不変あひかはらず愛嬌を振舞いて居たが、お酌に廻つて来た市子を捉へて私の前に座らせ、両手の盃を一つ私にして
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
内典ほとけのみのり興隆おこさむとおもふ。方将まさ寺刹てらを建てむときに、はじめて舎利を求めき、時に、汝が祖父司馬達等しばたちと便すなわち舎利をたてまつりき。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
乳母 ま、名譽事めいよごとといの! わしばかりがちゝげたのでかったなら、その智慧ちゑちゝからはひったともひませうずに。
先師三矢重松博士は、此「マツる」を「祭る」の語原とする説を強められた。まづ今までゞのまつりの語原論では、最上位のものである。
如何いかにも婦人はこのいたいたげな愛らしい者の精神に優良な原理と偉大にして善美な愛とを注ぎ入れて未来の社会を形作ると云ふ事にその身をさゝげねば成らないでせう。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
こうして犠牲いけにえあがりました私の生命いのちは、速刻お召しくださいましてもいとうところでございません
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
せぬかと申に彼町人は得たりかしこしと夫は有難し直樣すぐさま御間おあひ仕つらんと是より後藤のそばよりさしさゝれ飮合のみあひいが其好む所にへきすとの如く後藤半四郎は自分が酒好さけずきゆゑつひに此男と合口となりて忽ち互ひに打解うちとけつゝ四方八方よもやまの物語りを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
有難いっ。痛快だっ。イヤ多謝コウマブソ……多謝コウマブソ……とりあえず一杯こう。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
翌日は伊木力で野外に祭壇を設けてミサ聖祭をささげて、大村に乗込んで、棄教した領主に再び改宗をすゝめる書翰を捧げて、捕はれた。
太郎、夜の明くるを待ちて、大宮司のみたちに来り、しかじかのよしを申し出でて、此の太刀を見せ奉るに、大宮司驚きて、是なん大臣殿おほいどのたてまつり物なりといふに、助聞き給ひて、なほせし物問ひあきらめん。
夜ノ間ニ江尻ヲ立タセラレ、駿河府中ニ御茶屋オチヤヤ立置タテオキ、一コン進上申サル。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は「待つ・つ・マチ」などから出たものと考へてゐた事もあるが、其等は第二義にも達せぬ遅れたものであつた。
村々の祭り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)