“犠牲”のいろいろな読み方と例文
旧字:犧牲
読み方割合
ぎせい41.0%
いけにえ32.6%
にえ21.3%
いけにへ1.7%
にへ1.7%
みがはり0.6%
ヴィクチーム0.6%
ヴィクティマ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と云うよりは、むしろ、始からそれほど「主」を大事に思っていない。だから、彼は、容易たやすく、「家」のために「主」を犠牲ぎせいにした。
忠義 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「飛んだお供物、狒々ひひにしやがる。若奥様は聞いただけでも、禿祠はげやしろ犠牲いけにえを取ったようだ。……黒門洞擂鉢大夜叉くろもんどうすりばちおおやしゃとでもいうかなあ。」
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それからこっち後を引いてか、当歳から若年増、それも揃いも揃って女ばかりがすでに七人もこの神隠しの犠牲にえに上ったのであった。
善良なる旅人を己れが永遠の呪ひの犠牲いけにへにして底無しの淵に誘ひ込むことをもつて本性となす者なれど、その名称の依つて来るところは、エルムが旅人をさし招く態は
鬼の門 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
これより漸く佳境に進みて「影なる人のかたる」を言ひ、或は平瀉へいしや、或は急奔、遂に「われらが罪をゆるせかし、犠牲にへとなりしは愛のため」
僕が皆の犠牲みがはりにならうかしら、でも盗んでゐないのに盗んだとも云へないし、ええ、一そのこと僕が盗んでやればよかった。
(新字旧仮名) / 原民喜(著)
かつ慈母おッかさんもこの頃じゃア茶断ちゃだちして心配してお出でなさるところだから、こればかりで犠牲ヴィクチームに成ッたと云ッても敢て小胆とは言われまい。コリャいッそ叔母の意見に……
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そうして「いずれにしてもレームスは最初の犠牲ヴィクティマであって、しかして彼の血をもって新市の堡塁を浄化した」とある。
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)