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献
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さ
ふりがな文庫
“
献
(
さ
)” の例文
旧字:
獻
志田君は、盃を下にも置かず、
相不変
(
あひかはらず
)
愛嬌を振舞いて居たが、お酌に廻つて来た市子を捉へて私の前に座らせ、両手の盃を一つ私に
献
(
さ
)
して
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
別れに
献
(
さ
)
した盃を、清葉が、ちっと仰向くように、天井に目を
閉
(
ふさ
)
いで飲んだ時、世間がもう三分間、もの音を立てないで、死んでいて欲しかった。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「まア一つおあがりやへえな。」と、女中は盃洗の底に沈んでゐた杯を取り上げ、水を切つて、先づ源太郎に
献
(
さ
)
した。
鱧の皮
(新字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
彼の右隣の男は、今や十二分に
酩酊
(
めいてい
)
で、オイと
云
(
いっ
)
て
猪口
(
ちょく
)
をその芸妓に
献
(
さ
)
し、お前の名は何と云う、名札を呉れ名札をと、同じことを二つ重ねて問懸けた。
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
「何か生ぐさものか、塩辛でもと思ったが、この辺の夜更けはまるで山里さ。ところで早速、一ぺえ
献
(
さ
)
そう」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
▼ もっと見る
しの「ナニ若草が飲んだで御座えましょう、飲んだら
汝
(
われ
)
え
直
(
すぐ
)
に伊之助さんがに
献
(
さ
)
すだアよ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
亭主が燗徳利と
盃
(
さかずき
)
を二つ持って来るのを、待ち兼ねたように正吉は
献
(
さ
)
した。
お美津簪
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
祭礼が終って、酒宴が始ってからも、誰も彼に杯を
献
(
さ
)
す者はなかった。
奥間巡査
(新字旧仮名)
/
池宮城積宝
(著)
と市子は怖い目をして見せたが、それでも志田君の貸した盃を受取つて、盃洗に浄めて私に
献
(
さ
)
した。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それもそうじゃな。どれ、一つ杯を
献
(
さ
)
そう。この処ちょいとお儀式だ。と独り
喜悦
(
よがり
)
の助平
顔
(
づら
)
、老婆は
歯朶
(
はぐき
)
を
露
(
む
)
き出して、「
直
(
すぐ
)
と
屏風
(
びょうぶ
)
を廻しましょうよ。「それが
可
(
い
)
い。 ...
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ぐうっと、一息に茶碗酒をつくして、相手に
献
(
さ
)
して、法印は、膝がしらを揃えて酌をする。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
お村は立って戸棚から
徳利
(
とくり
)
を出して、利休形の
鉄瓶
(
てつびん
)
へ入れて燗をつけ、膳立をして文治が一杯飲んではお村に
献
(
さ
)
し、お村が一杯飲んで又文治に
酬
(
さ
)
し、さしつ押えつ
遣取
(
やりとり
)
をする内
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
広海屋は、持ち合せた盃を
献
(
さ
)
そうとしたが、長崎屋は、それを、押しのけるようにして
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
と一盃飲んでお梅に
献
(
さ
)
す、お梅が飲んで和尚に献す。その
中
(
うち
)
酒の
酔
(
えい
)
が廻って来まして
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しかもひたりと
坐直
(
いなお
)
って、杯を、目ざすお京の姿に
献
(
さ
)
そうとして置くのが、畳も
縁
(
へり
)
も、炉縁も外れて、ずか、と灰の中へ突込もうとして、
衝
(
つ
)
と手を引いて、ぎょっとしたように
四辺
(
あたり
)
を視た。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
献
(
さ
)
いつ
酬
(
おさ
)
えつ酒を飲んで居る
中
(
うち
)
に、互に
酔
(
えい
)
が発して参りました。
彼
(
か
)
の女は目の
縁
(
ふち
)
をボッと桜色にして、何とも云えない自堕落な
姿
(
なり
)
に成りましたが、治平はちゃんとして居ります。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
酒井は、杯を、つっと
献
(
さ
)
し
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
二人も
不憫
(
ふびん
)
に思い、
蔵前
(
くらまえ
)
の座敷に
有合
(
ありあ
)
う
違棚
(
ちがいだな
)
の
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
とコップを取出して、
両人
(
ふたり
)
の前へ
差出
(
さしだ
)
せば、涙ながらにおいさが飲んで重二郎へ
献
(
さ
)
しまするを見て、丈助は
悦
(
よろこ
)
び、にやりと笑いながら。
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
文治郎が盃を取って亥太郎に
献
(
さ
)
して、
主
(
しゅう
)
家来同様の固めの盃を致しましたが、人は助けておきたいもので、後に此の亥太郎が文治の見替りに立ってお奉行と論をすると云うお話でありますが
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
己も嬉しいから汝飲んで伊之助さんがに
献
(
さ
)
すだアよ若草
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と云うは怖いからで、叔母が取って伊之助に
献
(
さ
)
し
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
献
常用漢字
中学
部首:⽝
13画
“献”を含む語句
献酬
献立表
一献
献物
献立
献上
献納
数献
文献
献上物
式三献
献策
貢献
献言
献上博多
茶献上
献身的
献帝
献身
靖献遺言
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