“坐直”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すわりなお80.0%
いなお20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もう幕が開く処、見物は残らず場所へ坐直すわりなおしている、ここらは大阪は行儀が可いよ。それに、大人で、身のった芝居ほど、運動場は寂しいもんです。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、深川オペラ劇場主人は坐直すわりなおして、腹にひとつ力を入れた。今しがた夕めし食つてきた筈であつたが、さつきから、だうも奇妙にお腹のすいた感じである。笑ひごとではない。
盗まれた手紙の話 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
しかもひたりと坐直いなおって、杯を、目ざすお京の姿にそうとして置くのが、畳もへりも、炉縁も外れて、ずか、と灰の中へ突込もうとして、と手を引いて、ぎょっとしたように四辺あたりを視た。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)