けん)” の例文
旧字:
それから百済くだらの国の王からは、おうま一とう、めうま一頭に阿知吉師あちきしという者をつけて献上けんじょうし、また刀や大きな鏡なぞをもけんじました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
大きな石燈籠いしどうろうでもけんずると、私生活は出鱈目で冷酷でも、極樂行の旅券は無條件でもらへるやうに思ひ込んでゐる人も少くはありません。
智深ちしんは、その人をむしろに迎え、名乗りあってから、一さんけんじた。おとこおとこを知り、道は道に通ずとか。二人はたちどころに、肝胆かんたん相照あいてらして
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
現に日清戦争にっしんせんそうの時にも、種々のはかりごとけんじて支那政府の採用さいようを求めたる外国人ありしは、その頃の新聞紙しんぶんしに見えて世人の記憶きおくするところならん。
カピ長 いや、なう、パリスどの、むすめあへけんじまする。れめは何事なにごとたりとも吾等われら意志こゝろざしにはそむくまいでござる、いや、其儀そのぎいさゝかうたがまうさぬ。
しん雍正ようせい十年六月の夜に大雷雨がおこって、けん県の県城の西にある某村では、村民なにがしが落雷に撃たれて死んだ。
バアトンが第一巻を此のスタインホイザアにけんじてゐるのを以てても、二人ふたり道中話だうちうばなしがどんなであつたかは分る。
寛永三年九月六日むいか主上しゅじょう二条の御城おんしろへ行幸遊ばされ妙解院殿へかの名香を御所望有之これありすなわちこれをけんぜらるる
興津弥五右衛門の遺書 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
彼はこわくなって、早々に研究報告をまとめ上げ、これをアシュル・バニ・アパル大王にけんじた。ただし、中に、若干の政治的意見を加えたことはもちろんである。
文字禍 (新字新仮名) / 中島敦(著)
今加州侯毎年六月朔日雪をけんじ玉ふも雪の氷なり。これにてもいにしへの氷室は雪の氷なるをおもふべし。
ところで、この酒を一杯けんじよう。これはこの地方で申す火酒ウォッカの一種であって、特別醸造じょうぞうになるもの、すこぶる美味びみじゃ。飲むときは、銀製の深いさかずきで呑めといわれている。
そして、やがて、うみわたって、みなみくにおうさまにけんじようといたしました。
木と鳥になった姉妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
叡山えいざんはもけんずというから京都人は昔から鱧を利用したもんだね」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
けんじていはく、それかし飛行自在ひぎやうじざいじゆつの候、瞬時またゝくまにして
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「一杯けんじましょう。今年のさむさはまた別だね。」
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
草隠そういんの病骨へ、度々、おもの好きなるおたずね、おこころざしもだし難く、粗茶ひとつけんじ参らすべく、待ち申し上げ候
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今加州侯毎年六月朔日雪をけんじ玉ふも雪の氷なり。これにてもいにしへの氷室は雪の氷なるをおもふべし。
が、魔王の浅間あさましさには、その乳糜をけんじたものが、女人にょにんじゃと云う事を忘れて居った。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
二人ふたりっているふねは、その夕焼ゆうやけのほうしてすすみました。そして、おおくの日数ひかずてから、ついにふねは、みなみこころざしたくにみなときました。おとこは、さっそく霊薬れいやくおうさまにけんじたのであります。
木と鳥になった姉妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
するとまもなく新羅国しらぎのくにから、八十一そうの船で貢物みつぎものけんじて来ました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
多くの同朋衆は、手分けして、各詰所の小部屋で、一筅いっせんをそそぎ、茶をけんじ、香をくんじて、ねぎらいをたすけていた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此さゝら内へすれ凶作きようさくなりとてそとへ/\とすりならす。又志願しぐわんの者かね普光寺ふくわうじへ達しおきて、小桶に神酒みきを入れさかづきそへけんず。山男挑燈てうちんをもたせ人をおしわくる者廿人ばかりさきにすゝみて堂に入る。
それはお兄上の方へけんぜよとおおせになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
「なかなか、貴公はおもしろいことをいう男だ、一杯けんじよう」と、杯をほして、彼の方へつきだした。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此さゝら内へすれ凶作きようさくなりとてそとへ/\とすりならす。又志願しぐわんの者かね普光寺ふくわうじへ達しおきて、小桶に神酒みきを入れさかづきそへけんず。山男挑燈てうちんをもたせ人をおしわくる者廿人ばかりさきにすゝみて堂に入る。
「……普門品念彼偈ふもんぼんねんぴげ(観音経)の一句一句を、各〻が詠題に分け持って、巻をおさめたなら、尊氏が浄書のうえ、当寺の法楽観音の宝前ほうぜんけんじたてまつること。いかがであろうな」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「わが党の士か、あらためて一さんけんじ申そう。して、貴君はいずれの藩士」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)