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御城
寛永三年九月
六日主上二条の
御城へ行幸遊ばされ妙解院殿へかの名香を御所望
有之すなわちこれを
献ぜらるる
越申上
置ざれば
叶ふ可らずと是も明朝
明六時のお太鼓に登城の用意を申付られたり
既にして
翌日御城のお太鼓
六の
刻限鼕々と
鳴響けば松平伊豆守殿には登城門よりハヤ
駕籠を
「
殿、早々、
御城へお
退きなされませ。
拙者と
朝月が
先登つかまつります。朝月、一
期の大事、たのむぞ」
○今川橋下を流るゝ神田堀にして、
御城外濠より竜閑橋その他諸橋の下を経て来れるものなり。