“貢物”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みつぎもの68.0%
こうもつ16.0%
みつぎ12.0%
くもつ4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
勃海国というのはその時分、今の満洲の吉林キーリン辺にあった独立国で、時々こうして日本に貢物みつぎものを持って来た事が正史にも載っているがね
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ひどい旱魃かんばつがつづいて、諸国窮民きゅうみんにみち、道にあわれな屍臭ししゅうが漂い、都下の穀物は暴騰ぼうとうし、ちまたの顔は干からび、御所の穀倉すら貢物こうもつなく
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すぐ目のまえの南蛮寺なんばんじへ、なんの貢物みつぎもせずにまつりをするとは太い神主かんぬしだ。グズグズぬかしたら拝殿はいでんをけちらかして、あの賽銭箱さいせんばこを引ッかついでゆけ!
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
廊下からかがんで乗り出し、下からひざまずいて出しました娘の貢物くもつを受け取つて、高く頂き、よたりと背後うしろむきになりますると、腰を振ってひょこひょこと、棟からあやつりの糸で釣るされたような足取りで
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)