貢物みつぎ)” の例文
すぐ目のまえの南蛮寺なんばんじへ、なんの貢物みつぎもせずにまつりをするとは太い神主かんぬしだ。グズグズぬかしたら拝殿はいでんをけちらかして、あの賽銭箱さいせんばこを引ッかついでゆけ!
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山のやしろに白木の輿をおいて報らせても、貢物みつぎが来ないので、猪突ししつき槍だの、熊射ち弓だの、斧だの手槍だの、なるべく土民が見ただけでも縮み上がってしまいそうな武器を携え
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぬる元亨げんこうの年、それがし、都へ出でたるには、相違ござりませねど、そは、前年の十一月、歳々としどしの恒例にて、領下の御厨みくりや貢物みつぎ、伊勢神宮に運上したてまつるお使いにてまいった帰りを
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)