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貢物
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みつぎもの
ふりがな文庫
“
貢物
(
みつぎもの
)” の例文
勃海国というのはその時分、今の満洲の
吉林
(
キーリン
)
辺にあった独立国で、時々こうして日本に
貢物
(
みつぎもの
)
を持って来た事が正史にも載っているがね
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
幕末外交の犠牲となった女、
美貌
(
びぼう
)
を商品のように扱われて、
貢物
(
みつぎもの
)
にされたお吉が権力に対しての無意識の反発は自分を独りにするしかなかった。
妻の座
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
シーザーへの
貢物
(
みつぎもの
)
は、常に神への貢物の残りに過ぎない。王侯といえども教義の前には何らの力をも持たないのである。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
彼女たちは互いに、自分の
貢物
(
みつぎもの
)
で杢助の注意をひこうとしながら、互いに押したり叩いたりした。華やいだ声できいきい叫びながら土間の中へ入っていった。
似而非物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
独立国の
貢物
(
みつぎもの
)
ところがブータンからチベット政府へ
貢物
(
みつぎもの
)
を納めるためにこの村に来て居る者があります。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
▼ もっと見る
ですが地震はただ
可
(
い
)
い加減な、当推量じゃあったでしょうが、何なの、崖の総六の娘さんとかが、小田原へ
貢物
(
みつぎもの
)
を持って行って、
怪
(
あやし
)
い神主に、受取を貰って来た
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
我々は麻布といえば
一反
(
いったん
)
二十円もするような
上布
(
じょうふ
)
のことをしか思い浮かべないが、
貢物
(
みつぎもの
)
や商品になったのはそういう上布であっても、東北などの冬の
不断着
(
ふだんぎ
)
は始めから
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
かようの次第で、
御世
(
みよ
)
ごとに
志摩
(
しま
)
の國から魚類の
貢物
(
みつぎもの
)
を
獻
(
たてまつ
)
る時に猿女の君等に
下
(
くだ
)
されるのです。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
とげたい。——そうだ。彼も今では、むかしの滝口の小次郎とはちがう。こんど、おぬしが下るついでに、純友からの
貢物
(
みつぎもの
)
だといって、ここの妓を四、五人連れて行ってくれ
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
東
(
とう
)
州、
静海
(
せいかい
)
軍の
姚氏
(
ちょうし
)
がその部下と共に、海の魚を捕って年々の
貢物
(
みつぎもの
)
にしていました。
中国怪奇小説集:09 稽神録(宋)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
だが、念丈ガ岳の東側からも同じ松川の名称を冠された一条の峡谷が、東南東に山を割っている。この方は飯田から十二キロも北上した所で、ともに天竜川への
貢物
(
みつぎもの
)
となっているのだ。
二つの松川
(新字新仮名)
/
細井吉造
(著)
男から
弓端
(
ゆはず
)
の
調
(
みつぎ
)
といって、弓矢でとった
獲物
(
えもの
)
の中のいくぶんを、女からは
手末
(
たなすえ
)
の
調
(
みつぎ
)
といって、
紡
(
つむ
)
いだり、織ったりして得たもののいくぶんを、それぞれ
貢物
(
みつぎもの
)
としておめしになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
帝様へ諸国から
貢物
(
みつぎもの
)
を献上なさる時は、いつもこの道を通ったとやらで、その帝様が奈良田でお
崩
(
かく
)
れになりました時、それと聞いて土地の人が、その貢物を横取りしてしまって
俄
(
にわ
)
かに富んだから
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
こころづくしの
貢物
(
みつぎもの
)
。
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
「そうだ。二龍山の宝珠寺にいる
花和尚
(
かおしょう
)
の
魯智深
(
ろちしん
)
へ泣きつくんだ。後々には、きっと
貢物
(
みつぎもの
)
をいたします。ですから、ここんとこはどうか助けると思って、ひとつご加勢ねがいます、とな」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして
毎年
(
まいとし
)
船をどっさり仕立てまして、その
船底
(
ふなぞこ
)
の
乾
(
かわ
)
くときもなく、
棹
(
さお
)
や
櫂
(
かい
)
の乾くまもなもないほどおうかがわせ申しまして、絶えず
貢物
(
みつぎもの
)
を
奉
(
たてまつ
)
り天地が
亡
(
ほろ
)
びますまで
無久
(
むきゅう
)
にお仕え申しあげます
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
しかもその小遣いの多くはお絹の
貢物
(
みつぎもの
)
であった。彼もこの場合には、お絹のところへ無心に行きたくなかった。用人や給人にももう
幾許
(
いくら
)
ずつか借りているので、この上に頼むわけにはいかない。
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「ええ、土地の産物を
貢物
(
みつぎもの
)
にするという意味なんでしょう」
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
するとまもなく
新羅国
(
しらぎのくに
)
から、八十一そうの船で
貢物
(
みつぎもの
)
を
献
(
けん
)
じて来ました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
“貢物”の意味
《名詞》
貢ぎ物。
(出典:Wiktionary)
貢
常用漢字
中学
部首:⾙
10画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“貢”で始まる語句
貢
貢献
貢税
貢士
貢進
貢馬
貢租
貢進生
貢上
貢拳