“さゝ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
28.9%
21.9%
10.9%
6.3%
5.5%
些々3.9%
3.1%
2.3%
2.3%
2.3%
1.6%
1.6%
0.8%
0.8%
0.8%
0.8%
0.8%
0.8%
注射0.8%
瑣々0.8%
0.8%
0.8%
0.8%
0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
りよ小女こをんなんで、汲立くみたてみづはちれていとめいじた。みづた。そうはそれをつて、むねさゝげて、ぢつとりよ見詰みつめた。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
花吉はがツくり島田の寝巻姿ねまきすがた、投げかけしからだを左のひぢもて火鉢にさゝへつ、何とも言はず上目遣うはめづかひに、低き天井、なゝめに眺めやりたるばかり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
それでもおまへさゝづるにしきまもぶくろといふやうな證據しようこいのかえ、なに手懸てがゝりはりさうなものだねとおきやうふをして
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其處に來れば人生のさゝやかな流は皆白く碎ける水泡やどう/\と鳴る音や渦卷や奔流の只中に碎け散つてしまふのです。
先づ赤門、『恁麽こんな學校にも教師せんせべすか?』とお定はさゝやいたが、『居るのす。』と答へたお八重はツンと濟してゐた。不忍の池では海の樣だと思つた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
馬琴は些々さゝたる非写実文人、西行は無慾の閑人となりて、白石の如き、山陽の如き、足利尊氏の如き、仰向すべきは是等の事業家の外なきに至らんこと必せり。
人生に相渉るとは何の謂ぞ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
藪蚊と毒虫にさゝれるのでかゆくて堪りませんから、掻きながら様子を立聞をして居ました。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わたくしいまやまた軍艦ぐんかんのみならず一度いちどうしなつたとおもつた日出雄ひでををもくにさゝぐること出來できるやうになつたこと感謝かんしやします。
ちよんぼりとあるうすまゆどうやらいたいけなつくりだけれども、鬼薊おにあざみはなかとばかりすら/\とびて、わる天窓あたまでもでてやつたらてのひらさゝりさうでとげ/\しい。
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
もどれ、おろかななみだめ、もといづみもどりをれ。悲歎かなしみさゝぐるみつぎ間違まちがへて喜悦よろこび献上まゐらせをる。チッバルトがころしたでもあらうわがつま生存いきながらへて、わがつまころしたでもあらうチッバルトがんだのぢゃ。
さゝるゝな立派な出世致すべしかくてこそ予にたい忠義ちうぎなるぞと申聞られ一人々々ひとり/\盃盞さかづきを下され夫より夜のあくるをまちける此時越前守の奧方おくがたには奧御用人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さゝぐるたま陰光かげひかり
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
取直してこゝろよくさしさゝれつのみたりしが何時しか日さへ暮果くれはてて兩人共睡眠ねむりの氣ざしひぢまくらにとろ/\とまどろむともなしに寢入ねいりしが早三かうころ靱負は不※ふと起上おきあがり其のまゝ爰を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
三人よれ文珠もんじゆさへ授けぬ奸智かんち智慧袋ちゑぶくろはたいたそこやぶれかぶれ爲術せんすべつき荒仕事あらしごと娘にあはすと悦ばせて誘引おびき出すは斯々と忽ちきまる惡計にさしさゝれつ飮みながらとは云ふものゝまくは餘り感心かんしんせぬ事成れば姉御あねごと己とくじにせんと紙縷こよりひねつて差出せばお定は引て莞爾につこりわら矢張やつぱり兄貴あにきが當り鬮と云はれて三次は天窓あたま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
江戸の賑ひを集め盡したやうな淺草の雜沓ざつたふは、この意味もなく見えるさゝやかな事件を押し包んで、活きた坩堝るつぼのやうに、刻々新しいたぎりを卷き返すのです。
覺束おぼつかなし、わらは夜叉神やしやじん一命いちめいさゝげて、桃太郎も〻たらう
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
其の槍で突殺すという心根が有難ありがてえもんでがんすねえ、旦那さま槍で横っ腹をさゝられる心持は一通りでは有りやすめえが、始終槍で突かれている気で働けば
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
つるぎつゑに。松陰まつかげの。いはほさゝへて。吐息といきつく。時哉をりしも見ゆる。若武者わかむしやは。そもいくさの。使つかひかや。ればころもの。美麗うるはしさ。新郎はなむことかも。あやまたる。其鬚髯そのほうひげの。新剃にひそりは。秋田あきたを刈れる。刈稻かりしねの。そろへるさまに。
「西周哲学著作集」序 (旧字旧仮名) / 井上哲次郎(著)
渡船小屋は疎らな林の縁にあつて、此方から呼ぶと、ぢゞいが声に応じて出て来た。舟は渦を衝いて凄じく流れる。それを爺は巧に棹にさゝへて、岸へ/\と近寄つて来る。
草津から伊香保まで (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
少時しばらくくらんで、とほつてたが、チリ/\とこと自然しぜんひゞくやうな、たま黄金こがねおとに、つけを注射さゝれた心地こゝちがして、かすかすみはうけて、……車上しやじやう美人びじんがお引摺ひきずりの蹴出褄けだしづま
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
今までは瑣々さゝたる問題にも、極めて丁寧ていねいにいらへしつる余が、この頃より官長に寄する書にはしきりに法制の細目にかゝづらふべきにあらぬを論じて、一たび法の精神をだに得たらんには
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
仮令あつたにしても、その涙にさゝへられて、何も見えなかつたに相違なかつた。汽車が程ヶ谷近く来ても、まだ涙が流れ流れしてゐた。
ある日 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
大江の上には帆走つてゐるやゝ大きい船もあれば、さゝの葉形の漁舟もあつて、漁人の釣して居るらしい様子も分る。
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
此邸こゝにては煤取すゝとりさゝ座敷ざしきにこぼれて、ひやめし草履ぞうりこゝかしこの廊下らうかちりみだれ、お雜巾ぞうきんかけまするもの、おたゝみたゝくもの家内かない調度てうどになひまはるもれば、お振舞ふるまひさゝふて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
丸山作楽君が君主専制の東洋風に随喜の涙を流されし時代もありき、如此かくのごとくに我日本の学者、老人、慷慨家かうがいか、政治家、宗教家達は、我文明の余りに疾歩するを憂へて、幾たびか之をさゝへんとし