“吐息”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
といき97.7%
ナゲキ1.5%
と いき0.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なぜか、房枝は、しずかな夕暮の空を、ひとりぼっちでながめるのがたまらなく好きだ。そしていつも心ぼそく吐息といきをついてしまうのである。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
敵の攻勢がゆるむと、かえって、将門も気がゆるむ様子だった。路傍の木蔭へ、流れ矢を避け、さも、疲れきったように、馬の背で吐息といきをついた。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
思わず洩れる吐息といきが、すぐと力ない咳に変わって、弥生はたもとに顔を押し包んで、こほん! こほん! とつづけざまに身をふるわせた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
風が静かな吐息といきを送って、苜蓿うまごやしの薄い葉をひるがえすと、蒼白あおじろいその裏が見える。そして、畑一面に身ぶるいが伝わる。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
あの蔦葛つたかづらおほはれた、枝蛙えだかはづの鳴くあたりの木々さへ、一時はさも心配さうに吐息といきらし合つたらしい。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
歓楽の国に居て、大き吐息ナゲキ一つしたと言ふのは、浦島子にもある形で、実在を信じた万葉人は、「おぞや此君」と羨み嗤ひを洩すのであらう。
海驢ミチの皮畳を重ね敷いた宮殿に居て、歓楽の限りを味ひながら、大き吐息ナゲキ一つしたと言ふのは、万葉歌人に言はせれば、浦島同様「オゾや。此君」と羨み嗤ひをするであらう。
古代生活の研究:常世の国 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
と、はてしのない緑の平原と雲の色が、放浪の孤独とやるせなさにむせんで見えた。俺は吐息と いきをついて女をみた。
苦力頭の表情 (新字新仮名) / 里村欣三(著)