“といき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
吐息57.1%
太息35.3%
大息2.5%
嘆息1.3%
嗟嘆0.8%
溜息0.8%
長息0.4%
吐呼吸0.4%
嗟息0.4%
歎息0.4%
長太息0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そういって伯爵隊長は、吐息といきをつき、胸をおさえた。昨日来、伯爵はおどろき又おどろきで、心臓の工合が少々変調をきたしている。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
聴水は可笑おかしさをこらえて、「あわただし何事ぞや。おもての色も常ならぬに……物にや追はれ給ひたる」ト、といかくれば。黒衣は初めて太息といき
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
母上はこれを聞きて復た言ふべきこともあらねば、便びんなき少年の上をおもひて大息といきつき給ひぬ。かたへぎきせしわれは泣き出しつ。
千坂兵部は、人知れぬ嘆息といきをついて
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
浪子はそっと武男のひざに手を投げて溜息といきつき
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
女兒むすめやさしき介抱にこゝろゆるみし武左衞門まくらつきてすや/\と眠りし容子にお光は長息といき夜具打掛てそつ退のきかたへに在し硯箱を出して墨を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つかんで息絶いきたへたりお光はほつと長息といき夜具やぐかい退のけてよく/\見れば全く息は絶果たえはてて四邊は血汐ちしほのからくれなゐ見るもいぶせき景状ありさまなり不題こゝに大藤おほふぢ左衞門は娘が出しをすこしも知ずふしてを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
と天幕に入ると、提げて出た、卓子を引抱ひっかかえたようなものではない、千じんの重さに堪えないていに、大革鞄を持った胸が、吐呼吸といきを浪にく。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
アイとその名の頭字を現わし兼ねて嗟息といき吐く声を表わした(スミス同前)。
兄は歎息といきをついた。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
気性きしょうったははは、くちしてはべつなんとももうしませんでしたが、それでもおんな矢張やはおんな小蔭こかげへまわってそっとなみだぬぐいて長太息といきらしているのでございました。