さゝ)” の例文
いや、なにまをうちに、ハヤこれはさゝゆきいてさふらふが、三時さんじすぎにてみせはしまひ、交番かうばんかどについてまがる。このながれひとつどねぎあらへり。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それでもおまへさゝづるにしきまもぶくろといふやうな證據しようこいのかえ、なに手懸てがゝりはりさうなものだねとおきやうふをして
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そのうたの一ツにハア〽うさぎ/\児兎こうさぎハアヽ〽わが耳はなぜながいハアヽ〽母の胎内たいないにいた時にさゝ
「そんだつてた、さゝえだにくつゝいてたところからたんだ」與吉よきち蟷螂かまきりいぢりながらいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ぐわつ、五ぐわつのお節句せつくは、たのしい子供こどものおまつりです。五ぐわつのお節句せつくには、とうさんのおうちでもいしせた板屋根いたやね菖蒲しやうぶをかけ、ぢいやが松林まつばやしはうからつてさゝちまきをつくりました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
通町とほりちやうではくれうちから門並揃かどなみそろひ注連飾しめかざりをした。徃來わうらい左右さいうなんぽんとなくならんだ、のきよりたかさゝが、こと/″\さむかぜかれて、さら/\とつた。宗助そうすけも二しやくあまりのほそまつつて、もんはしら釘付くぎづけにした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いのらん者と一に思ひこみしかば夫よりして秋葉山へ遙々はる/″\と登しが本社は女人禁制によにんきんせいなるゆゑ上る事ならず因て玉垣たまがきの外にていのり居しに早晩いつしか夜に入ければいざや私が家へ戻らんとがけの道へ來かゝるに茶店ちやみせ仕舞しまひたるが在しにぞ是れ屈竟くつきやうなりとさゝの葉を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さゝしげり
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
さゝみて
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
さゝゆきまへ通返とほりかへして、微醉ほろゑひ心持こゝろもち八杯はちはいはらつもつたさゝゆきも、さつけて、むねいさゝかのとゞこほりもない。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのうたの一ツにハア〽うさぎ/\児兎こうさぎハアヽ〽わが耳はなぜながいハアヽ〽母の胎内たいないにいた時にさゝ
「へえわしもおつうにきあんした、かまちやうえねえもんだからどうしたつちつたら、お内儀かみさんいふからつたんだなんて、そんでもかまさゝなかりあんしたつけや」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
此邸こゝにては煤取すゝとりさゝ座敷ざしきにこぼれて、ひやめし草履ぞうりこゝかしこの廊下らうかちりみだれ、お雜巾ぞうきんかけまするもの、おたゝみたゝくもの家内かない調度てうどになひまはるもれば、お振舞ふるまひさゝふて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
笹屋さゝやとはさゝのやうにしげいへ扇屋あふぎやとはあふぎのやうにすゑひろがるいへといふ意味いみからでせう。でも笹屋さゝやつてもそれを『さゝ』とおもふものもなく、扇屋あふぎやつても『あふぎ』とおもふものはありません。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
さゝに、大判おほばん小判こばん打出うちで小槌こづち寶珠はうしゆなど、就中なかんづく染色そめいろ大鯛おほだひ小鯛こだひゆひくるによつてあり。お酉樣とりさま熊手くまで初卯はつう繭玉まゆだま意氣いきなり。北國ほくこくゆゑ正月しやうぐわつはいつもゆきなり。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「そんぢやさゝつちよつてておくんなせえ」巫女くちよせばあさんはいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
どろだらけなさゝがぴた/\とあらはれて、そこえなくなり、水草みづくさかくれるにしたがうて、ふね浮上うきあがると、堤防ていばう遠方をちかたにすく/\つてしろけむり此處彼處こゝかしこ富家ふか煙突えんとつひくくなつて
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ねぎ小川をがはながれ、とばかりにてにはならざりしが、あゝ、もうちつとでおもふこといはぬははらふくるゝわざよといへば、いま一足ひとあしはやかりせば、さゝゆき賣切うりきれにてはらふくれぬことよといふ。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
根岸ねぎし相坂あひざか團子屋だんごや屋臺やたいつた。……近所きんじよ用達ようたしがあつたかへりがけ、時分時じぶんどきだつたから、さゝゆきはひつて、午飯ひるますと、はら出來できたし、一合いちがふさけいて、ふら/\する。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)