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板屋根
もう
好い
加減歩いて
行つて、
谷がお
仕舞になつたかと
思ふ
時分には、また
向ふの
方の
谷間の
板屋根から
煙の
立ち
登るのが
見えました。
巨大なる
此の
樟を
濡らさないために、
板屋根を
葺いた、
小屋の
高さは十
丈もあらう、
脚の
着いた
臺に
寄せかけたのが
突立つて、
殆ど
屋根裏に
屆くばかり。
潜門の
板屋根には
痩せた
柳が
辛くも
若芽の緑をつけた枝を
垂してゐる。冬の
昼過ぎ
窃かに
米八が病気の
丹次郎をおとづれたのもかゝる
佗住居の
戸口であつたらう。