トップ
>
板屋根
>
いたやね
ふりがな文庫
“
板屋根
(
いたやね
)” の例文
もう
好
(
い
)
い
加減
(
かげん
)
歩
(
ある
)
いて
行
(
い
)
つて、
谷
(
たに
)
がお
仕舞
(
しまひ
)
になつたかと
思
(
おも
)
ふ
時分
(
じぶん
)
には、また
向
(
むか
)
ふの
方
(
はう
)
の
谷間
(
たにま
)
の
板屋根
(
いたやね
)
から
煙
(
けむり
)
の
立
(
た
)
ち
登
(
のぼ
)
るのが
見
(
み
)
えました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
巨大
(
きよだい
)
なる
此
(
こ
)
の
樟
(
くすのき
)
を
濡
(
ぬ
)
らさないために、
板屋根
(
いたやね
)
を
葺
(
ふ
)
いた、
小屋
(
こや
)
の
高
(
たか
)
さは十
丈
(
ぢやう
)
もあらう、
脚
(
あし
)
の
着
(
つ
)
いた
臺
(
だい
)
に
寄
(
よ
)
せかけたのが
突立
(
つツた
)
つて、
殆
(
ほとん
)
ど
屋根裏
(
やねうら
)
に
屆
(
とゞ
)
くばかり。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
潜門
(
くゞりもん
)
の
板屋根
(
いたやね
)
には
痩
(
や
)
せた
柳
(
やなぎ
)
が
辛
(
から
)
くも
若芽
(
わかめ
)
の緑をつけた枝を
垂
(
たら
)
してゐる。冬の
昼過
(
ひるす
)
ぎ
窃
(
ひそ
)
かに
米八
(
よねはち
)
が病気の
丹次郎
(
たんじらう
)
をおとづれたのもかゝる
佗住居
(
わびずまひ
)
の
戸口
(
とぐち
)
であつたらう。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
それはたいていは屋根を
葺
(
ふ
)
く材料のちがいにともなうもので、同じ
草屋根
(
くさやね
)
でも土地によって、すこしは傾斜がちがうけれども、そのちがいは、じつはわずかなものなので、それが
板屋根
(
いたやね
)
となると
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
屋根
(
やね
)
の
石
(
いし
)
は、
村
(
むら
)
はづれにある
水車小屋
(
すゐしやごや
)
の
板屋根
(
いたやね
)
の
上
(
うへ
)
の
石
(
いし
)
でした。この
石
(
いし
)
は
自分
(
じぶん
)
の
載
(
の
)
つて
居
(
ゐ
)
る
板屋根
(
いたやね
)
の
上
(
うへ
)
から、
毎日々々
(
まいにち/\
)
水車
(
すゐしや
)
の
廻
(
まは
)
るのを
眺
(
なが
)
めて
居
(
ゐ
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
この風やこの雨には一種特別の
底深
(
そこぶか
)
い力が含まれて
居
(
ゐ
)
て、寺の
樹木
(
じゆもく
)
や、
河岸
(
かはぎし
)
の
葦
(
あし
)
の葉や、
場末
(
ばすゑ
)
につゞく貧しい家の
板屋根
(
いたやね
)
に、春や夏には決して聞かれない
音響
(
おんきやう
)
を伝へる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
新築はなるべく
板屋根
(
いたやね
)
にするようにと
指図
(
さしず
)
した。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
風
(
かぜ
)
や
雪
(
ゆき
)
で
水車小屋
(
すゐしやごや
)
の
埋
(
う
)
まつてしまひさうな
日
(
ひ
)
が
來
(
き
)
ました。
石
(
いし
)
は
毎日
(
まいにち
)
座
(
すわ
)
つて
居
(
ゐ
)
るどころか、どうかすると
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
き
飛
(
と
)
ばされて、
板屋根
(
いたやね
)
の
上
(
うへ
)
から
轉
(
ころ
)
がり
落
(
お
)
ちさうに
成
(
な
)
りました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
板
常用漢字
小3
部首:⽊
8画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
根
常用漢字
小3
部首:⽊
10画
“板屋”で始まる語句
板屋
板屋廂
板屋楓
板屋葺