“富家”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふか47.6%
ふうか33.3%
ふけ14.3%
かねもち4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ことに、ああした遍路同士が、貧しい情けをおくりあうことは、なみだぐましいほどで、闘争のちまた富家ふかの門では見られない美しさだと思うのであった。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
神前寺内に立てる樹も富家ふうかの庭にわれし樹も、声振り絞って泣き悲しみ、見る見る大地の髪の毛は恐怖に一々竪立じゅりつなし、柳は倒れ竹は割るる折しも
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ただ幾分か、人工が加えられてある所は、今、義経が立っているここ平等院の北の辺り——土民が富家ふけの渡しとんでいる岸だけであった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
時偶ときたま、雑誌の口絵で縹緻きりようの好い芸妓の写真を見たり、地方新聞で富家かねもちの若旦那の艶聞などを読んだりした時だけは、妙にう危険な——実際危険な、例へば
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)