“かねもち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
富豪34.7%
金持28.6%
金満6.1%
金満家6.1%
兼用2.0%
富室2.0%
富家2.0%
富有2.0%
富貴2.0%
有福2.0%
蓄財家2.0%
豪商2.0%
資産家2.0%
金滿2.0%
金滿家2.0%
金限2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
家並みもそろっているし、富豪かねもちも多いし、人口は一万以上もあり、中学校、農学校、裁判所、税務管理局なども置かれた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
あれは誰の娘だろう? 親父はどんな人間かしら? 金持かねもちで気前のいい地主だろうか、それとも奉職ほうしょくちゅうにたんまりと財産を拵えたような
いまから大凡おおよそ十三四ねん以前いぜん、このまちの一ばん大通おおどおりに、自分じぶんいえ所有っていたグロモフとう、容貌ようぼう立派りっぱな、金満かねもち官吏かんりがあって、いえにはセルゲイおよびイワンと二人ふたり息子むすこもある。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
武「えゝ此の近辺でなんですかえ、金満家かねもち何処どこですな」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
彼の腰帯とこの下〆とを略して一筋にて兼用かねもちふ、すなわち腰を結びたるきれあまりを直ちに引上げて帯の下〆にしたるなり。
当世女装一斑 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「この南の村に、こうという富室かねもちがあるのだ、三娘は其所の女だ、きりょうが良いので評判だったが、二三年前間違えて水莽草を食って死んだのだ、きっとこれがわざをしているのだ」
水莽草 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
時偶ときたま、雑誌の口絵で縹緻きりようの好い芸妓の写真を見たり、地方新聞で富家かねもちの若旦那の艶聞などを読んだりした時だけは、妙にう危険な——実際危険な、例へば
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
あへ富有かねもちといふではないが、少許すこしは貸付もあつた様だし、田地と信用とは、増すとも減る事がない。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「いや、もうあんな事は有りはしねえだ。あんな事が度々たび/\有つた日には、村は立つて行かねえだ。御方便な事には、あれからはいつも豊年で、今でア、村ア、あの時分より富貴かねもちに為つただ」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
「あ、あ、あ、ひとしきりそんな風説うわさがございましたっけ。有福かねもちの夫婦をり殺したとかいう……その裁判があるのでございますか」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
渋りて物を出さぬ家は会釈もなく踏込で或はみせをうち毀し家内を乱暴に及ぶにぞ、蓄財家かねもちは皆戦慄ふるへおそれて家業を休み店を閉めて只乱暴の防ぎをなせば
り本町通りの小西屋というては名高なだかき藥種問屋江戸指折ゆびをり豪商かねもちにてたれとて知ぬ者もなき大身代おほしんだいの嫁に成とは娘が出世しゆつせ此上なき喜びなれども此方こなたはまた見る影もなき浪人者らうにんもの釣合つりあはざるは不縁のもと決して是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
旧家ではあり資産家かねもちではあり、立派な生活を営んでいた。おそめという一人娘があった。その時数え年ようや二歳ふたつで、まだ誕生にもならなかったが、ひどく可愛い児柄こがらであった。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
いまから大凡おほよそ十三四ねん以前いぜんまちの一ばん大通おほどほりに、自分じぶんいへ所有つてゐたグロモフとふ、容貌ようばう立派りつぱな、金滿かねもち官吏くわんりつて、いへにはセルゲイおよびイワンと二人ふたり息子むすこもある。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
あきなひ未だ東西も知らぬ土地なれども櫛笄簪くしかうがひ脊負せおひ歩行あるくに名におふ大都會なれば日本一のまづしき人もあればまたならびなき金滿家かねもちもありて大名も棒手振ぼうてぶり押並おしならんで歩行あるく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それは金限かねもちの御家人の伜で、宮河雪次郎となのる男で後年号を雪斎と云った。
赤格子九郎右衛門 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)