金持かねもち)” の例文
それはおぢさんが貧乏びんぼふなために、金持かねもちのやうに大切にしてやられなかつたからだ。だがおぢさんにはまだ二人ふたり子供こどもがある。
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
あれは誰の娘だろう? 親父はどんな人間かしら? 金持かねもちで気前のいい地主だろうか、それとも奉職ほうしょくちゅうにたんまりと財産を拵えたような
六三 小国おぐにの三浦某というは村一の金持かねもちなり。今より二三代前の主人、まだ家は貧しくして、妻は少しく魯鈍ろどんなりき。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
『モールスさんのつたはう金持かねもちのコロボツクルがたので、此所こゝきつ貧乏人びんばうにんたんだらう』などたはむれてところへ、車夫しやふしたがへて二でうこうられた。
よろこびをうけてむくいることを知らざるは、人間にあらず馬なり、弥次馬やじうまなり。さあさあ弥次馬はあとへ引っこんで金持かねもちだけ前のほうへでてくださいよ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
渡世となし夫婦さし向ひにて金持かねもちと云にはあらねども不自由もなくくらしけるがの勘兵衞のをひ彌七と云者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
衣食住の安心は勿論もちろん、随分金持かねもちになる事も出来るから止まれとねんごろに説いたのは、決して尋常の戯れでない。チャント一間ひとまの中に差向さしむかいで真面目まじめになって話したのである。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
馬鹿ばかさわぎもせねば串談じやうだんも三ちやんのやうではけれど、人好ひとずきのするは金持かねもち息子むすこさんにめづらしい愛敬あいけうなん御覽ごらんじたか田中屋たなかや後家ごけさまがいやらしさを、あれでとしは六十四
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
他の村人が、あまり値段ねだんが高いじゃないかと注意したら、売り主の曰く、そりゃちったア高いかもんねえが、何某なにがしさんは金持かねもちだもの、此様な時にでもちったうけさしてもらわにゃ、と。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
あるいへではクワスをませ、あるところではパンをはしてれる。で、かれいつ滿腹まんぷくで、金持かねもちになつて、六號室がうしつかへつてる。が、たづさかへところものは、玄關げんくわんでニキタにみんなうばはれてしまふ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いへあり、つまあり、眷屬けんぞくあり、いろがあつて、金持かねもちで、大阪おほさかひとのみに、停車場前ステエシヨンまへを、さつ/\と、自動車じどうしやくるま歩行あるくのさへ電車でんしやよりはやいまで、猶豫ためらはず、十字じふじ八方はつぱうさばける人數にんず
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ムウンまたむかひか、どうも度々たび/″\招待状せうたいじやうをつけられて困るなア、先方むかう此頃このごろちやはじめたてえが、金持かねもちゆゑごく我儘わがまゝな茶で、種々いろ/\道具だうぐかざちらかしてるのを、みんなが胡麻ごまアするてえ事を聞いたが
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
おぢさんは、みんながたいへん可愛かあいい。このほんきみたちにんでもらひ、うたつてもらうためにいたのだ。金持かねもち子供こどもなんかまなくたつていい。
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
何だと云て話をすると、私の一身上の事に及んで、お前はこのたび使節に付て来たが、れから先は日本にかえって何をする所存つもりかソリャ勿論もちろん知らないが、お前は大層たいそう金持かねもちかと尋ねるから
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
あるいえではクワスをませ、あるところではパンをわしてくれる。で、かれはいつも満腹まんぷくで、金持かねもちになって、六号室ごうしつかえってる。が、そのたずさかえところものは、玄関げんかんでニキタにみんなうばわれてしまう。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
凡俗世界ではその様子を見て、コリャ何でも金持かねもちだと測量する人もありましょう。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
けれどきみたちは金持かねもちや、金持かねもち味方みかた詩人しじんやまたそいつらといつしよに貧乏人びんぼふにん馬鹿ばかにしてゐるやつらのやうに、このおぢさんの童謠うたを一も二もなく、あたまからバカにし、惡口わるくちなんかはないだらう。
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
金持かねもちアうしろでたた
兵隊さん (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
金持かねもちアうしろでたゝ
兵隊さん (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
金持かねもちアうしろでたゝ
兵隊さん (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)