富家ふけ)” の例文
ただ幾分か、人工が加えられてある所は、今、義経が立っているここ平等院の北の辺り——土民が富家ふけの渡しとんでいる岸だけであった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
道を境に左は死刑人と行倒ゆきだうれの人をうずめ、右は貧乏人の塚を集め、両方ともそれからそれへと段々に土を盛り上げ、さながら富家ふけの祝いの饅頭を見るようである。
(新字新仮名) / 魯迅(著)
お屋敷奉公が縁となつて、富家ふけと縁組みをしたものもあつた。
玉の輿 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)