“行倒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆきだふれ38.9%
ゆきだお27.8%
ゆきだふ16.7%
ゆきだおれ11.1%
ゆきだう5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
勿論小さな躓跌つまづきから大なる悲劇の主人公となツて行倒ゆきだふれとなツた事業家もあツたらうし、冷酷な世間から家を奪はれて放浪の身となツた氣の老夫おやぢもあツたらう。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
道を通る人は行倒ゆきだおれではないかと思って覗いて行くから仙公はきまりを悪がって、いくら起しても起きようとはしません。
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
こめたはらよりぜに蟇口がまぐちよりいづ結構けつこうなかなに不足ふそく行倒ゆきだふれの茶番ちやばん狂言きやうげんする事かとノンキに太平楽たいへいらく云ふて、自作じさく小説せうせつ何十遍なんじつぺんずりとかの色表紙いろべうしけて売出うりだされ
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
蟇口がまぐちを長蔵さんに取られてから、懐中ふところには一文もない。帰るにしても、帰る途中で腹が減って山の中で行倒ゆきだおれになるまでだ。いっその事今から長蔵さんを追掛けて見ようか。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
道を境に左は死刑人と行倒ゆきだうれの人をうずめ、右は貧乏人の塚を集め、両方ともそれからそれへと段々に土を盛り上げ、さながら富家ふけの祝いの饅頭を見るようである。
(新字新仮名) / 魯迅(著)