“狂言”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きやうげん42.3%
きょうげん34.6%
まがこと3.8%
からくり3.8%
けうげん3.8%
しべえ3.8%
まがごと3.8%
チヤウゲン3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……狂言きやうげんはまだないが、古寺ふるでら廣室ひろまあめ孤屋ひとつやきりのたそがれを舞臺ぶたいにして、ずらりとなりならんだら、ならんだだけで、おもしろからう。
くさびら (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
徳川時代の狂言きょうげん作者は、案外ずるく頭が働いて、観客の意識の底に潜在せんざいしている微妙びみょうな心理にびることがたくみであったのかも知れない。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
流れの清きにでて手にむすびつらんとよませ給ふにやあらんを、後の人の毒ありといふ一一〇狂言まがことより、此の端詞はしことばはつくりなせしものかとも思はるるなり。
お糸と役者の乳繰えを嫉妬やっかんで、よんべおりきんとこから出て来る役者を、ここらで待ってばっさりり、えこう、えれえ手の組んだ狂言からくりたくみやがったのう、やいやい、小僧、どうでえ
師走しはすつき世間せけんたいものせわしきなかを、ことさららみて綾羅きらをかざり、一昨日おとゝひそろひしとそれ芝居しばゐ狂言けうげんをりから面白おもしろ新物しんものの、これをのがしてはと娘共むすめどもさわぐに、見物けんぶつは十五日
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「うふふ、せっかく、狂言しべえの幕の割れるところだ。面白えから付いて来なせえ。」
おのがたからをたのみて九六他人ことひとにいきほひをふるひ、九七あらぬ狂言まがごとをいひののしり、あさましき九八えびすごころをも見するは、前生さきのよの善心かくまでなりくだる事はいかなるむくいのなせるにや。
村々特有の狂言チヤウゲン(能狂言・俄などに似た)を行うて、後は芸尽しになる。
翁の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)