-
トップ
>
-
きやうげん
米は
俵より
涌き
銭は
蟇口より
出る
結構な
世の
中に
何が
不足で
行倒れの
茶番狂言する事かとノンキに
太平楽云ふて、
自作の
小説が
何十遍摺とかの
色表紙を
付けて
売出され
採玄關の
敷臺掃出しながら如何に相手が
青年でも
餘日がない故とぼけるにも餘程
骨が
折たはへ
併し五十兩の
仕業だからアノ位なる
狂言はせにや
成舞と長庵は
獨微笑みつゝ居たりけり
狂言のあらましを
面白さうに話して、だん/\
取入り、
俳優表方の気にも入り、見やう
聞真似に
発句狂歌など
口早く
即興にものするに、
茶屋の
若者には
珍しい
奴と、五代目
白猿に
贔屓にされ