狂言きやうげん)” の例文
……狂言きやうげんはまだないが、古寺ふるでら廣室ひろまあめ孤屋ひとつやきりのたそがれを舞臺ぶたいにして、ずらりとなりならんだら、ならんだだけで、おもしろからう。
くさびら (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
是非ぜひさうでもございませうが、八百やほ半兵衛はんべゑが、狂言きやうげんしろ物を沢山たくさんもつてましたから、なんぞ買つてくださいナ。
狂言の買冠 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「皆んな逃げましたよ、錢形の親分。殘つて居るのは、足の惡い私と、死ぬ氣になつた娘だけだ。——三軒長屋の狂言きやうげんも大竹孫右衞門をてばお仕舞ひだ」
こめたはらよりぜに蟇口がまぐちよりいづ結構けつこうなかなに不足ふそく行倒ゆきだふれの茶番ちやばん狂言きやうげんする事かとノンキに太平楽たいへいらく云ふて、自作じさく小説せうせつ何十遍なんじつぺんずりとかの色表紙いろべうしけて売出うりだされ
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
とり玄關げんくわん敷臺しきだい掃出はきだしながら如何に相手が青年にさいでも日がない故とぼけるにも餘程ほねをれたはへしかし五十兩の仕業しごとだからアノ位なる狂言きやうげんはせにや成舞なるまひと長庵はひとり微笑みつゝ居たりけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
狂言きやうげんのあらましを面白おもしろさうに話して、だん/\取入とりいり、俳優やくしや表方おもてかたの気にも入り、見やう聞真似きゝまね発句ほつく狂歌きやうかなど口早くちはや即興そくきようにものするに、茶屋ちやや若者わかいものにはめづらしいやつと、五代目白猿はくゑん贔屓ひいきにされ
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
遊戲いうぎ狂言きやうげん凡畜ぼんちくにあらず
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
ナニ八百やほ半兵衛はんべゑ狂言きやうげんしろものだ、そいつはありがたい、買ひませう/\、なにがありますね。
狂言の買冠 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「そいつは大笑ひだ、——呑まない毒酒を呑んだ振りをして、七人そろつて氣違ひ踊りと馬鹿笑ひをするとはふざけたものだな、伽羅大盡きやらだいじんの馬鹿納めには、なる程そいつは良い狂言きやうげんだ」
盡し大岡殿より御褒美ごはうびいゞたきし津國屋の嫁お菊にて其後人の世話せわによりもとならおぼえげいよければ斯るなりはひに世を送りしなり然ば狂言きやうげんとはゆめにも知ず吾助は足にまかせていそぐ程に芝神明前を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それがしの顔色がんしよくすくなからず憂鬱いううつになつたとえて、博士はかせが、かたかるけるやうにして、「大丈夫だいぢやうぶですよ、ついてますよ。」熟々つら/\あんずれば、狂言きやうげんではあるまいし、如何いか名医めいいといつても
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
へい、そのかはりにごくやすうございますア。「イヤ/\安くつても感心しねえ。「そこが狂言きやうげんで。「はてね、これ狂言きやうげんとはね。「されば安菜やすなだからくずの葉もあります。 ...
狂言の買冠 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
産んだ事にして、園山若狹樣の跡取にしたといつた筋書は狂言きやうげんになりますぜ
と一思案しあんして其場へ捨置すておき是が後日の狂言きやうげんかうして置ば大丈夫と彼藤崎道十郎がわすれて行し傘を死骸しがいわき投捨なげすてあと白浪しらなみと我が家なる麹町へぞ急ぎける爰に武州なる品川宿といふは山をうしろにし海を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
のう狂言きやうげんに「きのこ」がある。
くさびら (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
へえー芝居しばゐにありさうですな、河竹かはたけしん七さんでも書きさうな狂言きやうげんだ、亀裂ひゞあかぎれかくさうめに亭主ていしゆくま膏薬売かうやくうり、イヤもう何処どこかたにお目にかゝるか知れません。